University Hospital Introduction
当院では、病院内のさまざまな活動や診療実績などを数値化し経時的変化を観察することで、より質の高い医療の実践を目指しています。
「医療の質」を測る視点として、Donabedianは、「ストラクチャー(構造)」,「プロセス(過程)」,「アウトカム(成果)」の3種類のグループ分けを行いましたが、近年は在院日数が極めて低下していますので、医療における中長期的成果を退院時などに評価することが困難です。ここでは、「構造」、「過程」、そして比較的短期間の「成果」を中心に、当院の病院指標を紹介することで、浜松医科大学医学部附属病院の実力および特長を皆さんに知っていただければと思います。
・ 診療実績
・ 国立大学附属病院 病院機能指標
・ 病院情報の公表(DPC関連指標)
・ がんに関する指標
・ 病床機能報告
・ その他の指標
・ 患者満足度調査
診療実績は、病院の経営管理状況を数値化したものです。自施設の経時的変化だけでなく他施設との比較検討を行うことで、診療面での強み・弱みを知ることができます。
当院は、県内で唯一医学部のある大学の附属病院(特定機能病院)として、病床数613床、37診療科のもと、平均在院日数10.9日、病床稼働率 85.8%、手術件数 9,081件/年、救急車搬送件数 4,941件/年(令和5年度)という診療実績を有しています。入院患者の30%近くは二次医療圏外から来院し、特定機能病院において定義される「紹介率」は103%、「逆紹介率」は 70.9%でありクリニカルパス等による診療プロセスの標準化だけでなく、退院支援の推進や転院先施設との良好な関係構築にも努めています。
【診療実績】
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | |
入院延べ患者数 | 176,522 | 180,999 | 192,657 |
外来延べ患者数 | 345,860 | 361,041 | 360,884 |
外来初診患者数 | 16,736 | 18,778 | 18,158 |
1日平均外来患者数 | 1,429 | 1,486 | 1,485 |
初診紹介患者数 | 15,997 | 16,815 | 17,413 |
紹介率 | 100% | 101% | 103% |
逆紹介率 | 59.3% | 60.5% | 70.9% |
平均在院日数(精神科含む) | 11.1 | 10.8 | 10.9 |
病床稼働率 | 78.9% | 80.9% | 85.8% |
分娩件数 | 592 | 576 | 582 |
母体搬送受け入れ数 | 47 | 35 | 36 |
救急車受け入れ件数 | 4,168 | 4,731 | 4,941 |
後発医薬品利用率(数量ベース) | 93.5% | 92.1% | 94.7% |
手術件数 | 7,538 | 8,231 | 9,081 |
セカンドオピニオン | 101 | 98 | 103 |
当院では、「国立大学附属病院長会議常置委員会」にて定められた「病院機能指標(54項目[平成 29年度])を公開しています。全国の国立大学附属病院において、「診療」「教育」「研究」「地域・社会貢献」の領域で同一定義のもと測定された病院機能指標ですから、全国の国立大学附属病院のなかにおける浜松医科大学医学部附属病院の立ち位置を客観的に明らかにすることができます。
全国集計は「箱ひげ図」で示されていますが、当院が、中央値または平均値より上位にあるものとしては、「高度医療評価制度・先進医療診療実施数」や「急性心筋梗塞患者における入院当日もしくは翌日のアスピリン投与率」などがあります。
当院はDPC対象病院(Ⅰ群)として、入院患者さんに対して「診断群分類包括評価」を行っています。また、入外来患者さんの各種診療データに関して、厚生労働省への報告を行うとともに、自院の病院経営に活用する目的で、DPC関連データの分析や他施設とのベンチマーク作業などを実施しています。その一環として、診療実績などに関しDPCコードを利用した情報等を公開することで、当院の特長を知ってもらいたいと考えています。
ちなみに、DPCとは、Diagnosis Procedure Combination(Diagnosis[診断]とProcedure[治療]のCombination[組み合わせ])の略です。
当院は「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けています。また、当院が所在する浜松市(西部二次医療圏)には「地域がん診療連携拠点病院」が4施設あり、その中では、高度先進医療の追求とともに地域における「人材育成機能」を強く期待されています。
これまで、がん診療を行う地域の基幹病院として、いわゆる「がん登録」を継続的に実施してきましたが、当院での主たる実績に関して情報公開を行っています。詳細については以下を参照していただければと思いますが、大学病院として、脳腫瘍や頭頚部がん、皮膚がんなど「希少がん」の患者数が非常に多いことが特徴かと考えます。
平成26年度から「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」に基づいて、毎年、「病床機能(現時点・6年後・2025年時)」ならびに「各種診療関連データ」を公開しています。平成26年度分からは、「病棟単位」での従前データのほか「重症度、医療看護必要度」なども掲載されています。
病床機能報告.xlsx (412KB)
その他の病院指標として、「診療分野での当院の特長」を示す指標と、「医療の質指標(QI:Quality Indicator)」に関係するものを提示します。
当院は特定機能病院として、いくつかの診療分野で、数多くの患者さんを受け入れております。例えば、「脊髄疾患」や「小児斜視」の疾患領域では、全国各地から数多くの患者さんをご紹介いただいています。また、近年は、「ダヴィンチ」や「ハイブリッド手術室」を利用した高度先進治療への取り組み件数も増えています。さらに、静岡県摂食障害支援拠点病院として、摂食障害の診療にも積極的に取り組んでいます。
QIに関しては、全国的にも、グループ病院等で様々な指標を公開してベンチマーク事業等に積極的に取り組んでいる事例を散見します。当院でも、院内では、各種感染関連情報や転倒・転落発生率、褥瘡発生率などを毎月集計し、院内職員への周知を図るとともに、医療の質改善に努めています。ただし、QIは、その「定義」や施設として対応している患者層の違いなどにより、比較検討することが難しいものもありますので、ここでは一部の指標のみご紹介します。
当院では、毎年、患者さん(外来・入院)に対して「患者満足度調査」を行っています。
調査結果に基づき、改善した事項及び検討している事項につきましては、以下に掲載していますのでご覧ください。
当院をご利用される皆さんの視点から、より快適な環境づくりを目指し、これからも環境整備に努めてまいります。
・令和5年度( 患者アンケート結果(入院)(216KB) 患者アンケート結果(外来)(251KB))
・令和4年度( 患者アンケート結果(入院)(195KB) 患者アンケート結果(外来)(177KB))
( 改善・検討報告(211KB))
・令和3年度( 患者アンケート結果 (407KB) 改善・検討報告(238KB))
・令和2年度( 患者アンケート結果 (471KB))