Speciality Guidance
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泌尿器科は、腎臓・腎盂尿管・膀胱・前立腺・尿道・精巣などの尿路性器系の疾患、ならびに副甲状腺・副腎などの内分泌系の疾患など幅広い臓器の疾患を、しかも小児期から老年期まで通じて扱う診療科です。また、ほとんどの疾患について診断から治療まですべてを担当するとともに、治療内容も内科的治療から外科的治療まで、疾患の種類や重症度に応じて多くのオプションがあります。例えば、進行性の泌尿器がんや、腎臓からの尿の産生が低下(腎不全)するような直接生命に影響する重篤な疾患を扱う一方で、男性高齢者の前立腺肥大症・女性に多い尿失禁・最近注目されている男性更年期障害・EDなどの生活の質(QOL)を低下させる疾患も泌尿器科で扱います。診療に際しては患者さんの訴えや症状をまず聞いたうえで原因疾患を導き出し、必要であれば手術療法や薬物療法、ときには食事・生活指導までも行い、さらに治療後は長期間にわたって経過観察を行います。
最近の人口の高齢化に伴い前立腺がんの増加が著しく、その増加率は他臓器がんと比較してわが国でもっとも高いことが報告されております。加えて、前立腺肥大症や尿失禁などで旅行もままならない方が増加しています。われわれは2003年より市民公開講座などを通じてそのことを訴えておりますが、今後医療や社会福祉の面から、泌尿器科医の果たす役割がますます大きくなっていくと考えられます。