Speciality Guidance
脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経から筋肉までの多様な病気を内科的に診断、治療する診療科です。そのため内科のひとつの専門診療分野であるとともに、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、精神科、整形外科、リハビリテーション科などすべての診療科と連携しています。
症候では、頭痛、歩きにくさなどの運動障害、しびれ、痛み、歩行障害、認知障害などで受診する方が多く、疾患では、変性疾患(パーキンソン病関連疾患、アルツハイマー病などの認知症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)、免疫性神経疾患(重症筋無力症、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、多発筋炎など)の診断、治療が多い傾向です。また最近では人口の高齢化に伴い、多くの基礎疾患をかかえた脳梗塞患者が増加しています。
現在、脳神経内科専門医は6名です。診療科全般の特色は、神経難病を中心に神経疾患全般にわたり幅広く診療している点があります。特に、内科疾患に伴う神経症状を診る機会は他の医療施設よりは多い傾向です。また、神経難病(変性疾患、代謝異常症)の慢性期の治療・ケアについての豊富な経験を持っていることが挙げられます。
さらに当科の特徴のひとつに、遺伝子診断に関連した取り組みが挙げられます。既知の遺伝性変性疾患の遺伝子診断のみならず、新たな疾患の同定、疾患概念の確立を行ってきました。無セルロプラスミン血症、家族性ウェルニッケ脳症、筋肉の乳酸脱水素酵素欠損症、成人型ミトコンドリア三頭酵素欠損症の成人例、フィラミンC欠損症などが特記すべき疾患です。
学外では、静岡県内の脳神経内科医、患者会、難病医療連絡協議会などのネットワークを通じて、神経疾患の検診・生活相談を定期的に行い、災害に備える訓練も行っています。