浜松医科大学医学部附属病院

本院について

University Hospital Introduction

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専門職種のキャリアパス

 本院には、特定機能病院として、高度かつ先進的な医療をになっておりますが、それと同時に、医師だけでなく様々な医療専門職の育成と県内外への人材輩出が求められています。

 言い方を変えれば、「専門職種のキャリアパスを支援する」ことが、本院のミッションの一つであるということです。本院での実習あるいは勤務体験の中で多くのことを学び、浜松医科大学医学部附属病院の出身者として世界に羽ばたいてほしいと考えています。

 以下に、おもな専門医療職のキャリアパスに関して、本院でどのような対応を行っているのか記載します。

 ・医師 
 ・看護師・助産師 
 ・薬剤師 
 ・歯科医師 
 ・診療放射線技師 
 ・臨床検査技師 
 ・栄養士・管理栄養士 
 ・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 
 ・臨床工学技士 
 ・事務系職員の専門職化に向けて




 医師

 6年間の医学部教育修了後、国家試験に合格した医師は、医師臨床研修制度のもと、2年間初期臨床研修医として、研修を行います。初期臨床研修医は、それぞれの病院で策定されたプログラムに沿って、医師として身につけるべき知識やスキル等の修得を目指します。その後、多くの医師が専門研修を経て専門医となります。
 本院は基幹型臨床研修病院として市中病院とのたすきがけ研修や、ひとりひとりのニーズに対応した特色あるプログラムを準備し、協力型臨床研修病院等と連携して初期研修医の指導にあたっています。
 また新専門医制度においては、基本領域19領域すべてのプログラムを持ち、地域の専門研修の基幹病院としての役割も担っています。本院では卒後教育センターを設置し、医師のキャリアパスを示すとともに積極的にこれを支援しています。


      詳しい情報は「卒後教育センター」ページへ 



 看護師・助産師

 看護師になるには、看護系大学(4年)、看護系短期大学(3年)や看護専門学校(3年)などで教育を受けたのち、看護師国家試験に合格することが必要です。助産師は看護師免許を取得後、看護系大学院(2年)、助産学専攻科(1年)、助産師専門学校(1年)などで教育を受けたのち、助産師国家試験に合格することが必要です。本学は、看護学科・助産学専攻科・大学院など様々なキャリアパスへの対応が可能です。
 本院看護部は、「Heart 誠実と温かい心で向きあう、Art 自律した看護専門職として寄り添う、Life 尊い命とその人らしさを支える」の理念のもと、大学病院の看護専門職として、倫理に基づいた質の高い看護を提供できる看護職の育成を目指しています。教育体制の柱となるのが、5段階のキャリアラダーで、卓越したジェネラリストの育成を目的としています。またスペシャリストや特定看護師、認定看護管理者などキャリアを広げられるように役割に応じた教育体制を整備しています。



 薬剤師

 薬剤師になるには、6年制の薬学教育を修了して、薬剤師国家試験に合格することが必要です。薬剤師のキャリアパスは、2006 年の薬学教育 6年制の開始に伴い大きく変わり、病院内での薬剤師業務の経験は薬剤師のキャリアパスに大きく貢献すると考えられます。
 本院では入職後、薬剤師の基本である調剤業務一般を学ぶとともに、早期から臨床薬剤業務(病棟薬剤業務や薬剤管理指導)を実践し臨床能力を高めるとともに、認定や専門薬剤師への取得も積極的に取り組むことができます。また、薬学生の実務実習教育や、院内の医師や他のメディカルスタッフへの教育にも携わります。さらに、大学病院の特性を生かした臨床研究の実施や博士号の取得を目指すこともできます。これら、臨床業務、教育、研究のバランスが取れた研修サポート体制が充実しています。

      詳しい情報は「薬剤部」ページへ

 

 歯科医師

 歯科医師になるには、歯科大学もしくは大学歯学部(ともに6年制)を卒業して、歯科医師国家試験に合格したのち1年以上の研修を受けることが求められています。
 本院では、歯科医師臨床研修プログラムを策定し、1年間の臨床研修が受けられる環境を整備しています。また、歯科口腔外科の病棟を有しているため、歯科単独の医療機関とは異なり、他科との連携による専門的な症例を扱う等、貴重な経験ができます。臨床研修プログラムを修了したあとは、本院において専門研修や研究を続けることでキャリアを積むことが可能です。


 診療放射線技師

 診療放射線技師になるには、診療放射線技師の養成課程がある4年制大学や短大、専門学校にて3年以上の教育を受け、そののち「診療放射線技師国家試験」に合格する必要があります。国家試験を合格後は病院等で働くことが一般的ですが、病院へ就職した場合、その規模によって業務内容は大きく異なります。
 大学病院では、多くの診療科からのニーズに応えるため、放射線機器の種類や数が多く、より専門的な業務が求められます。また、本院では、地域に不足しがちな「放射線診断専門医」や「放射線治療専門医」が数多く勤務しており、診断や治療等に関する専門的知識の習得が可能です。診療のみならず、学会・研究活動等への参画を推奨しており、各種専門技師・認定技師などの認定資格取得に向けた支援も行っています。
 本院のような大学病院で診療を学ぶとともに、医療安全や感染対策、各種医療情報の専門的な取り扱いを学びつつ、チーム医療の一員として勤務することはキャリアパスの構築に役立つものであり、また、社会人として大学院への進学も可能で、新たなキャリアを形成するうえでも有用と考えます。


 


 臨床検査技師

 臨床検査技師とは、臨床検査技師養成課程(4年制大学、3年制短大または専門学校)を終了後、「臨床検査技師国家試験」に合格した臨床検査を専門とした医療技術者です。主な就職先として病院や検査センター、臨床検査機器試薬や製薬などの企業がありますが、大学院に進学する者もいます。
 本院では、大学病院としてキャリアパスを可能とする環境が整っています。一般病院では臨床検査業務全般(検体検査および生理機能検査)を検査部で担当しますが、本院では検査部、病理部および輸血・細胞治療部へと専門化が進んでいます。また、医療安全や感染対策をはじめとする「チーム医療」へ参画しています。さらに、専門医による知識・技術および研究指導、臨床検査同学院の臨床検査士、日本臨床衛生検査技師会や各種専門学会の認定検査技師資格など多岐にわたる上級資格取得のスキルアップ体制があり、研修会や学会への参加を推奨し、臨床研究への協力、認定施設としての卒後教育や学生教育も遂行しています。
       



 栄養士・管理栄養士

 栄養士は、大学や短大、専門学校の栄養士養成課程を修了・卒業し、都道府県知事から免許証が交付されることで資格が得られます。一方、管理栄養士は、管理栄養士の養成課程がある大学を経て国家試験に合格することが必要です。
 キャリアアップとしては、NST専門療法士やがん病態栄養専門管理栄養士、腎臓病病態栄養専門管理栄養士、糖尿病病態栄養専門管理栄養士、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士などの資格取得により専門性を生かした活躍ができるようになります。
 本院を含む大学病院や地域における基幹病院では、「食事=治療」という基本的な考えのもと、複雑な病態を有する患者さんへの専門職種として関わっています。また、チーム医療の一員として、「栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)」や「褥瘡対策チーム」、「緩和ケアチーム」、「周術期管理チーム」などにも参画しています。院内では、診療科の先生方の協力も得て、定期的な勉強会を開催するなど、大学病院の栄養管理部門として専門的人材の育成にも努めています。
      



 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士

 リハビリテーションは、ラテン語での「re(再び)+ habilis(適した)」という言葉に由来しており、病気や外傷が主たる原因の心身の機能・構造障害や生活上の支障に対して,個人とその人が生活する環境を対象に専門多職種が連携し支援を行う総合的アプローチのことです。現場で対応する療法士(セラピスト)には、理学療法士(PT: Physical Therapist)や作業療法士(OT: Occupational Therapist)、言語聴覚士(ST: Speech Therapist)などがありますが,いずれも国家資格であり、理学療法士の養成課程がある大学あるいは短大、専門学校で3年以上学び、そののち国家試験に合格する必要があります。
 本院は、大学病院ということもあり急性期疾患の患者さんが数多く、研修内容は、超急性期・急性期のリハビリテーションが中心となりますが、市内の回復期リハビリテーション病院等とも適切な連携体制をとっています。



 臨床工学技士

 「臨床工学技士」は厚生労働大臣の免許を受けた「国家資格」の一つですが、他の医療専門職とは異なり歴史がまだ浅く、1987 年の「臨床工学技士法」制定に端を発しています。臨床工学技士は、臨床工学技士養成課程のある養成校(大学、短大、専門学校)での教育を受けたのち、国家試験合格後に医療機関等に勤務することが通常です。
 本院は大学病院ということもあり、スタッフ数も比較的多く、取り扱う医療機器も極めて多岐にわたるのが特徴です。全国的にも不足しがちな職種ではありますが、様々な実務をこなすことでスキルが高まる職種でもありますので、本院では、先ずはジェネラリストとしての研修を優先し、そののち専門領域に特化した研修が行える環境を整備しています。中小病院ではやや難しいキャリアプランの構築が可能な施設だと考えています。

      


 事務系職員の専門職化に向けて

 事務職員という言葉には「総務的」なイメージがありますが、本院の事務部門にも、専門業務に特化した事務職員が少なからずいます。具体的には、患者さんの各種相談に応じる「社会福祉士」や「精神保健福祉士」、診療情報等の保管・管理機能を担う「診療情報管理士」、病院情報システムの開発・運営・保守などを行う「医療情報技師」、そして、医師の事務作業等を補助する「医療クラーク」などです。
 病院によって、この種の事務系専門職への対応・処遇は様々ですが、本院では、事務部門に所属しつつ生涯教育等が継続できる環境の整備に努めています。