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肺切除後気漏に対するドレーン管理法の多施設共同前向き観察研究

肺内腫瘍性病変に対し,呼吸器外科で手術を受けられる患者様へ

原発性肺癌を含む肺内腫瘍性病変に対する肺切除術では術後に切離部より呼吸で吸入した空気が漏出し胸腔内に貯留してしまう可能性があるため、ほぼ全例でこの空気を排出するための胸腔ドレーンという管の留置・管理が必要となります。しかしこの胸腔ドレーンの管理法は①漏出した空気を受動的に排出するWater Seal法、②持続吸引ポンプを用いて能動的に漏出空気を排出する持続吸引法、③近年になり発売された医療器具を用い、機械制御で胸腔内圧を一定に保ち管理するdigital suction法、などの方法があるもののどの方法による管理が最適かは未だ明らかになっておらず、現在でも漏出の程度や胸部レントゲンでの肺拡張状態などを指標としながら各医師の考え方や経験をもとに管理されているのが現状です。

今回、これらのうちで最も術後管理に望ましい胸腔ドレーン管理法を同定することで皆様の術後の胸腔ドレーンの留置期間を最短とし、ひいては入院期間の短縮にまで貢献できるよう当院を含む多施設共同で臨床研究を行うことといたしました。

研究の方法は、研究に参加している施設ごとに肺内腫瘍性病変根治切除術を行った患者様に対しこれまでと変わらない日常診療で行っている胸腔ドレーン管理法で管理を行ってもらい、その方法やドレーン抜去までに要した日数などのデータを症例登録票に記載して事務局に送付することでデータを集積いたします。最終的にこれらの集積データを用いて各ドレーン管理法や術翌日の空気漏れの程度と、術後空気漏れ継続期間・胸腔ドレーン留置期間との関連を統計学的な解析で検討いたします。本研究実施により特別な処置が皆様に行われることはなく、通常行われている治療とまったく変わらない治療・管理が適応されます。また、本研究実施により皆様に肉体的・経済的にご負担いただくこともありません。

集積するデータは年齢、性別、身長、体重、喫煙歴(B.I)、COPDの有無、間質性肺炎の有無、ステロイド使用歴の有無、手術日、手術術式、手術側、手術創の大きさ、癒着の有無、切除部位、術中生体糊使用の有無、主な葉間形成の方法、使用ドレーン種類・太さ、病理学的診断、術直後ドレーン管理法・吸引圧、使用ドレーンバッグ、術直後および術翌日朝の気漏の程度(もしくはリーク流量)、ドレーン管理法変更日・内容、気漏停止日、ドレーン抜去日、遷延性気漏発症の有無、遅発性気漏発症の有無、のみであり皆様個人を特定できる情報は含まれておりません。加えて、これら集積データを用いる者は最大でも本研究に参加している計26施設の研究担当医師に限定されております。

本試験の実施体制は以下の通りとなります。集積されたデータは研究事務局にて厳重かつ適正に管理いたします。また、本研究によるデータ収集を望まない方は、ご本人もしくはその代理人より手術を施行される施設の担当窓口へご連絡いただきその旨をお伝えください。

何卒、本研究へのご協力およびご理解のほど、よろしくお願いいたします。

本研究の実施体制

【研究代表者】
〒211-8510 神奈川県川崎市中原区木月住吉町1-1 関東労災病院
呼吸器外科部長  足立 広幸    TEL:044-411-3131

【研究事務局】
〒213-8507神奈川県川崎市高津区二子5-1-1 帝京大学医学部付属溝口病院
外科教授 松谷 哲行    TEL:044-844-3333

当施設の担当窓口

〒431-3192
浜松市東区半田山一丁目20番1号
浜松医科大学医学部附属病院
診療科:外科学第一講座 呼吸器外科
担当者:川瀬 晃和
TEL:053-435-2276 FAX:053-435-2272
E-mail:akawase●hama-med.ac.jp (●を@に変換して送信してください。)