浜松医科大学医学部附属病院

施設案内

Facility Guide

プログラム

臨床研修プログラムの名称

浜松医科大学医学部附属病院単独型歯科医師臨床研修プログラム

研修管理委員会の名称

浜松医科大学医学部附属病院臨床研修管理委員会

募集及び採用の方法

  • 募集定員  6名
  • 募集方法 公募
  • 出願資格 第115回歯科医師国家試験(令和4年実施)を受験し、歯科医師臨床研修マッチングに参加する者(マッチング登録番号を取得している者)。
  • 選考方法 マッチングシステムによる。歯科口腔外科分野の多肢選択式試験、英語、面接

研修歯科医の処遇

  • 常勤・非常勤の別 非常勤
  • 研修手当 日給10,400円研修医手当(月額)100,000円(夜間、休日、地域医療の研修を含む)通勤手当、住居手当(上限28,000円)
  • 勤務時間・休暇 8時30分~17時15分 有給休暇 10日(採用日から起算して6ヶ月経過後)
  • 時間外勤務 業務上必要がある場合には命ずることがある
  • 当直 なし
  • 研修歯科医のための宿舎 単身用 80戸、世帯用 52戸
  • 研修歯科医のための部屋 2室
  • 社会保険・労働保険 政府管掌健康保険、厚生年金、雇用保険加入、労働者災害補償保険法の適用あり、国家・地方公務員災害補償法の適用なし
  • 健康管理 健康診断を年 1回実施
  • 歯科医師賠償責任保険 病院において加入、個人加入は任意
  • 外部研修活動 学会、研修会等への参加は可、費用支給はあり

研修期間

1年間の継続研修であり、主として浜松医科大学医学部附属病院で研修を行う。
なお、研修協力施設である浜松市保健所にて14日間の地域保健・地域医療についての研修を実施する。

1年修了後は、引き続き麻酔科、集中治療部及び一般歯科を含めた歯科口腔外科の専門研修を目標として、より高度な知識、態度、技能を修得する「アドバンスコース」を行う。

研修歯科医の指導体制

指導歯科医が充実しており、研修医にきめ細やかな指導体制をとっており、マンツーマンによる指導が可能である。

研修プログラムの評価に関する事項

研修プログラムの修了判定の評価項目については、目標症例数の到達程度、決められた内容についての講義の聴講の到達程度、口頭試問、必要に応じたレポート作成について、評価票を用いて指導歯科医が評価を行う。

なお、修了判定を行う基準は、目標症例数の達成、決められた内容についての講義の聴講の達成、口頭試問の回答内容の期待値への達成、必要に応じて提出されたレポートの内容の期待値への達成に基づくものとし、評価票を参考に研修管理委員会にて総合的に判断する。

また、必要な症例数を伴う到達目標に関しては、症例ごとに4到達段階を参考のために設定する。

参加施設の概要

単独型臨床研修施設

施設名 浜松医科大学医学部附属病院
所在地 静岡県浜松市中央区半田山1丁目20番1号
臨床研修施設長 松山幸弘(病院長)

研修プログラム責任者

総括責任者 須田隆文(卒後教育センター長)
プログラム責任者 増本一真(歯科口腔外科病院教授)

研修協力施設

施設名 浜松市保健所
所在地 静岡県浜松市中央区鴨江二丁目11番2号
研修実施責任者 西原信彦(保健所長)

研修プログラムの特色

約600床の本院では口腔外科のみならず、保存治療、補綴治療を要する入院患者も多く、良好な医科歯科連携のもと、十分に高頻度歯科治療を研修できる環境にある。

研修目標

臨床研修の基本理念(歯科医師法第一六条の二第一項に規定する臨床研修に関する省令)

臨床研修は、歯科医師が、歯科医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、歯科医学及び歯科医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付ける。

これを踏まえて、歯科医師として必要な歯科診療(一般、特殊)に関する一般知識と技能を実地にて修得し、歯科医学のみならず医学の進歩に呼応して、診療能力を高めるための基礎を養うとともに、生涯教育の習慣を身につけ、歯科診療における人間関係について理解し、併せて医の倫理を体得し、歯科医師としての資質の向上やマナーの修得を図る。



A.歯科医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)

1.社会的使命と公衆衛生への寄与
 社会的使命を自覚し、説明責任を果たしつつ、社会の変遷に配慮した公正な医療の提供及び公衆衛生の
 向上に努める。

2.利他的な態度
 患者の苦痛や不安の軽減と福利の向上を最優先するとともにQOLに配慮し、患者の価値観や自己決定権を
 尊重する。

3.人間性の尊重
 患者や家族の多様な価値観、感情、知識に配慮し、尊敬の念と思いやりの心を持って接する。

4.自らを高める姿勢
 自らの言動及び医療の内容を省察し、常に資質・能力の向上に努める。



B.資質・能力

1.医学・医療における倫理性
 診療、研究、教育に関する倫理的な問題を認識し、適切に行動する。

 ① 人間の尊厳を守り、生命の不可侵性を尊重する。
 ② 患者のプライバシーに配慮し、守秘義務を果たす。
 ③ 倫理的ジレンマを認識し、相互尊重に基づき対応する。
 ④ 利益相反を認識し、管理方針に準拠して対応する。
 ⑤ 診療、研究、教育の透明性を確保し、不正行為の防止に努める。

2.歯科医療の質と安全の管理
 患者にとって良質かつ安全な医療を提供し、医療従事者の安全性にも配慮する。

 ① 医療の質と患者安全の重要性を理解し、それらの評価・改善に努める。
 ② 日常業務の一環として、報告・連絡・相談を実践する。
 ③ 医療事故等の予防と事後の対応を行う。
 ④ 歯科診療の特性を踏まえた院内感染対策について理解し、実践する。
 ⑤ 医療従事者の健康管理(予防接種や針刺し事故への対応を含む。)を理解し、自らの健康管理に努める。

3.医学知識と問題対応能力
 最新の医学及び医療に関する知識を獲得し、自らが直面する診療上の問題について、科学的根拠に経験を
 加味して解決を図る。

 ① 頻度の高い疾患について、適切な臨床推論のプロセスを経て、鑑別診断と初期対応を行う。
 ② 患者情報を収集し、最新の医学的知見に基づいて、患者の意向や生活の質に配慮した臨床決断を行う。
 ③ 保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画を立案し、実行する。
 ④ 高度な専門医療を要する場合には適切に連携する。

4.診療技能と患者ケア
 臨床技能を磨き、患者の苦痛や不安、考え・移行に配慮した診療を行う。

 ① 患者の健康状態に関する情報を、心理・社会的側面を含めて、効果的かつ安全に収集する。
 ② 診察・検査の結果を踏まえ、一口腔単位の診療計画を作成する。
 ③ 患者の状態やライフステージに合わせた、最適な治療を安全に実施する。
 ④ 診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を、適切かつ遅滞なく作成する。

5.コミュニケーョン能力
 患者の心理・社会的背景を踏まえて、患者や家族と良好な関係性を築く。

 ① 適切な言葉遣い、礼儀正しい態度、身だしなみで患者や家族に接する。
 ② 患者や家族にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で説明して、患者の主体的な意思決定を
  支援する。
 ③ 患者や家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する。

6.チーム医療の実践
 医療従事者をはじめ、患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し、連携を図る。

 ① 歯科医療の提供にあたり、歯科衛生士、歯科技工士の役割を理解し、連携を図る。
 ② 多職種が連携し、チーム医療を提供するにあたり、医療を提供する組織やチームの目的、チームの
   各構成員の役割を理解する。
 ③ 医療チームにおいて各構成員と情報を共有し、連携を図る。

7.社会における歯科医療の実践
 医療の持つ社会的側面の重要性を踏まえ、各種医療制度・システムを理解し、地域社会に貢献する。

 ① 健康保険を含む保健医療に関する法規・制度の目的と仕組みを理解する。
 ② 地域の健康問題やニーズ把握など、公衆衛生活動を理解する。
 ③ 予防医療・保健・健康増進に努める。
 ④ 地域包括ケアシステムを理解し、その推進に貢献する。
 ⑤ 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要について理解する。

8.科学的探究
 医学及び医療における科学的アプローチを理解し、学術活動を通じて、医学及び医療の発展に寄与する。

 ① 医療上の疑問点に対応する能力を身に付ける。
 ② 科学的研究方法を理解し、活用する。
 ③ 臨床研究や治験の意義を理解する。

9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢
 医療の質の向上のために省察し、他の歯科医師・医療者と共に研鑽しながら、後進の育成にも携わり、
 生涯にわたって自律的に学び続ける。

 ① 急速に変化・発展する医学知識・技術の吸収に努める。
 ② 同僚、後輩、歯科医師以外の医療職と互いに教え、学びあう。
 ③ 国内外の政策や医学及び医療の最新動向(薬剤耐性菌等を含む。)を把握する。



C.基本的診療能力等

1.基本的診療能力等
(1) 基本的診察・検査・診断・診療計画

 ①患者の心理的・社会的背景を考慮した上で、適切に医療面接を実施する。
 ②全身状態を考慮した上で、顎顔面及び口腔内の基本的な診察を実施し、診察所見を解釈する。
 ③診察所見に応じた適切な検査を選択、実施し、検査結果を解釈する。
 ④病歴聴取、診察所見及び検査結果に基づいて歯科疾患の診断を行う。
 ⑤診断結果に基づき、患者の状況・状態を総合的に考慮した上で、考え得る様々な一口腔単位の診療計画を
  検討し、立案する
 ⑥必要な情報を整理した上で、わかりやすい言葉で十分な説明を行い、患者及び家族の意思決定を確認する

(2) 基本的臨床技能

 ①歯科疾患を予防するための口腔衛生指導、基本的な手技を実践する
 ②一般的な歯科疾患に対応するために必要となる基本的な治療及び管理を実践する。
  a.歯の硬組織疾患 b.歯髄疾患 c.歯周病 d.口腔外科疾患 e.歯質と歯の欠損
  f.口腔機能の発達不全、口腔機能の低下
 ③基本的な応急処置を実践する。
 ④歯科診療を安全に行うために必要なバイタルサインを観察し、全身状態を評価する。
 ⑤診療に関する記録や文書(診療録、処方せん、歯科技工指示書等)を作成する。
 ⑥医療事故の予防に関する基本的な対策について理解し、実践する。

(3) 患者管理

 ①歯科治療上問題となる全身的な疾患、服用薬剤等について説明する。
 ②患者の医療情報等について、必要に応じて主治の医師等と診療情報を共有する。
 ③全身状態に配慮が必要な患者に対し、歯科治療中にバイタルサインのモニタリングを行う。
 ④歯科診療時の主な併発症や偶発症への基本的な対応法を実践する。
 ⑤入院患者に対し、患者の状態に応じた基本的な術前・術後管理及び療養上の管理を実践する。

(4) 患者の状態に応じた歯科医療の提供

 ①妊娠期、乳幼児期、学齢期、成人期、高齢期の患者に対し、各ライフステージに応じた歯科疾患の
  基本的な予防管理、口腔機能管理について理解し、実践する。
 ②各ライフステージ及び全身状態に応じた歯科医療を実践する。

2.歯科医療に関連する連携と制度の理解等
(1) 歯科専門職の連携

 ①歯科衛生士の役割を理解し、予防処置や口腔衛生管理等の際に連携を図る
 ②歯科技工士の役割を理解し、適切に歯科技工指示書を作成するとともに、必要に応じて連携を図る。
 ③多職種によるチーム医療について、その目的、各職種の役割を理解した上で、歯科専門職の役割を
  理解し、説明する

(2) 多職種連携、地域医療

 ①地域包括ケアシステムについて理解し、説明する
 ②地域包括ケアシステムにおける歯科医療の役割を説明する
 ③がん患者等の周術期等口腔機能管理において、その目的及び各専門職の役割を理解した上で、多職種に
  よるチーム医療に参加し、基本的な口腔機能管理を経験する。
 ④歯科専門職が関与する多職種チーム(例えば栄養サポートチーム、摂食嚥下リハビリテーションチーム、
  口腔ケアチーム等)について、その目的及び各専門職の役割を理解した上で、チーム医療に参加し、関係
  者と連携する。

(3) 地域保健

 ①地域の保健・福祉の関係機関、関係職種を理解し、説明する
 ②保健所等における地域歯科保健活動を理解し、説明する
 ③保健所等における地域歯科保健活動を経験する

(4) 歯科医療提供に関連する制度の理解

 ①医療法や歯科医師法をはじめとする医療に関する法規及び関連する制度の目的と仕組みを理解し、
  説明する
 ②医療保険制度を理解し、適切な保険診療を実践する
 ③介護保険制度の目的と仕組みを理解し、説明する

 



浜松医科大学医学部附属病院単独型歯科医師臨床研修プログラム

     (研修協力施設:浜松保健所(*「地域医療」「地域保健」研修施設)

1年目

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
 A 歯科医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)
 B 資質・能力


C 基本的

診療業務

 基本的診察・検査・診断・診療計画
 基本的臨床技能等
 患者管理
 患者の状態に応じた歯科医療の提供
 歯科専門職の連携
 多職種連携
地域医療
地域保健
 歯科医療提供に関連する制度の理解

2年目(アドバンスコース)

以下の研修施設において半年から3年の期間の研修を行う。研修開始時期はそれぞれ異なるためその間は浜松医科大学医学部歯科口腔外科にてひき続き研修を行う。

研修関連施設

・榛原総合病院 歯科口腔外科
・公立森町病院 歯科口腔外科
・浜松医科大学医学部附属病院 麻酔科
・近畿大学医学部奈良病院 歯科口腔外科
・総合病院聖隷浜松病院 歯科口腔外科
・聖隷沼津病院 歯科口腔外科
・藤枝市立総合病院 歯科口腔外科