浜松医科大学医学部附属病院

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ロボット支援下手術(下部消化管外科)

 私たちは、患者さんへより良い治療を提供するとともに、最良の治療法を開発するための研究を進めています。その一環としてロボット支援下手術にも積極的に取り組んでいます。
 ロボット支援下直腸切除・切断術は平成30年(2018年)4月に保険収載されました。本院でも令和2年(2020年)11月より導入し、令和4年(2022年)7月からは保険診療での手術を開始しました。また、ロボット支援下結腸悪性腫瘍手術は令和4年(2022年)4月に保険収載され、直腸以外の大腸がんに対しても手術支援ロボットが使用可能となりました。本院では令和5年(2023年)4月に導入しました。
 現在、保険診療で実施可能なロボット支援下直腸切除・切断術について、概要を紹介させていただきます。

ロボット支援下直腸切除・切断術

 直腸は骨盤に囲まれた狭い場所にあり、周囲には膀胱、前立腺、子宮などの重要な臓器と、排尿や性機能をつかさどる自律神経が集まっているため、直腸がんに対する手術は難しい手術と言えます。これまでに腹腔鏡手術が広く普及することで、開腹手術に比べて手術創は小さくなり術後の痛みが減少し、早期退院・社会復帰を実現できるようになりました。しかし、直腸手術においては狭いスペースの中で、直線的な鉗子の可動性では手術操作に制限があります。手術支援ロボットは、先端が人間の指や手の動きを模倣する高い自由度を持った関節を有し、さらに手ブレ防止機能により安定して操作することができるため、腹腔鏡手術と比較して、自律神経損傷が少なく、術後の排尿障害と男性の性機能障害を低減できることが分かっています。さらに直腸がんの根治性が向上し、再発率を減らす可能性があると考えられています。ロボット支援下直腸切除・切断術の手術時間は5~7時間で、実際にロボットを操作している時間は4~6時間です。標準的な入院期間は約2週間です。
 今後も、より安全な操作によって合併症を低減し、術後QOLの改善を目指し、多くの患者さんに安心して手術を受けていただけるように努めていきます。

20230531 2外下部消化管 mv1ダビンチ 下部消化管鳥居先生 画像.jpg(図)直線的な鉗子の可動性では制限があり、手術支援ロボットは自由度の高い関節を有する。

 大腸がんのロボット支援下手術については、術式の利点とともに、いくつかの留意点もあります。これらの診療についての詳細は、かかりつけ医へご相談のうえ、当科へお問い合わせをお願いいたします。(本院は外来受診予約制を導入しております。)