Speciality Guidance
成長ホルモンによる低身長の治療では約30年の経験があります。その他多岐に渡る小児内分泌疾患の診断治療を静岡県の主幹病院として積極的に行っています。小児白血病の治療には薬剤感受性試験といって、白血病細胞はどの薬に効果があるかを調べる方法を用い、より有効な治療ができるようにしています。また造血幹細胞移植という高度医療もおこなっています。小児腎臓病の診断では必要により腎生検をおこない、より有効な治療法を選択しています。小児循環器疾患の検査としては心エコー検査、心臓カテーテル検査また胎児心臓病に対するエコー検査も2002年より開始し年間数10例の胎児診断を行っています。
小児神経の分野では、脳、神経、筋の症状をもつ小児の診断と治療を行っています。診断のための検査としては、脳波、筋電図、神経伝導速度、筋生検など様々な検査を行います。新生児マススクリーニングなどで見つかるアミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症の診断および治療を行います。
小児免疫アレルギーの分野では、アトピー教室を行いステロイド軟膏に対する不安がある方にも丁寧に説明しています。食物アレルギーの負荷試験は年間200件弱、消化管アレルギーの診療も行っています。ダニやスギの舌下免疫療法も行っています。また、若年性特発性関節炎やSLEなどの小児のリウマチ性疾患やクローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患の診療も行っており、重症度に応じてステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤の適切な使用をこころがけています。
低身長・性分化疾患・思春期の異常・甲状腺疾患
副腎疾患・骨代謝疾患・尿崩症・糖尿病・肥満症・脂質代謝異常
などの、小児内分泌代謝疾患の診断治療
脳腫瘍治療後・化学療法後などの内分泌的異常の診断治療
先天奇形症候群などの遺伝学的診断
自家末梢血幹細胞移植術
同種造血幹細胞移植術
血管内超音波による診断法
アトピー性皮膚炎教室
食物アレルギー経口負荷試験
若年性特発性関節炎の診断治療
炎症性腸疾患 (潰瘍性大腸炎・クローン病)の診断治療
筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症
重症筋無力症
注意欠陥多動性障害(AD/HD)
糖原病、ミトコンドリア病、リソゾーム病
脳性麻痺
神経皮膚症候群
浜松医科大学附属病院は、遺伝子改変技術を利用したがん免疫療法である「CAR-T細胞(キムリア)療法」の提供可能施設として認定されています。
<キムリアの適応(小児科領域)と治療内容>
本治療は、患者さんの血液から採取した免疫細胞の1つであるTリンパ球に遺伝子改変操作を行い、CARと呼ばれる特殊なたんぱく質を保有するCAR-T細胞を作成し、増殖させた後、患者さんに戻します。このCAR-T細胞は、患者さんの体内で、白血病やリンパ腫細胞の表面にあるCD19という蛋白をCARを使って認識し、がん細胞を死滅させます。
キムリアの治療にあたってはさまざまな医療費助成を受けることができます。製薬会社提供サイトをご参考に、当院での治療開始前に医療福祉支援センターでご相談ください。。
キムリアの治療には特殊な副反応があるため、集中治療部などと連携を行って対応をしてまいります。どのような副反応があるか、詳しくは製薬会社提供サイトをご参照ください。
<キムリアの治療実施にあたって>
キムリアの治療にあたっては、複数の医師で協議を行い、慎重に適応を判断しております。このため、事前の情報なく受診されたとしても対象となるかを判断することはできません。
キムリアの治療を目的とした受診につきましては、主治医にご相談いただき、かかりつけの医療機関を通じて当病院の地域連携室へ診療情報提供書の送付をお願いいたします。(地域連携室では、患者さんおよびご家族からの直接のお問合せはお受けできませんのでご了承ください。)検討結果は主治医の先生にご連絡いたします。
<キムリア治療の適応に関する診療情報提供書の送付先>
当科初診外来およびセカンドオピニオン外来受診あるいは電話連絡等によるキムリアの適応についてのご依頼やご相談への対応は致しかねますのでご了承ください。
キムリアの治療に関しては下記のサイトもご参照頂けますと幸いです。
ご協力のほどお願いいたします。