Speciality Guidance
食道癌・胃癌などの悪性疾患に対しては、機能温存を目指した縮小手術、内視鏡外科手術(腹腔鏡、胸腔鏡)等の低侵襲手術、徹底的な拡大手術などに、術前後の化学療法、放射線療法を組み合わせ、個々の症例に適した治療法を選択し根治性と術後QOL(Quality of life; 生活の質)の向上を目指しております。再発症例に対しても、常に新しい化学療法、分子標的療法を導入し、QOLを維持した生存期間の延長に主眼を置いた治療を行っています。
当科では完全腹腔鏡・胸腔鏡手術による外科治療を行っています。一般的な開腹・開胸手術では大きな創ができますが、腹壁や胸壁の侵襲は術後の創部痛や癒着、腸管運動などに影響を与え、また美容も損ねます。一方、内視鏡手術でできる創は5mm~12mm程度のポート挿入部と、切除した検体を取り出すための臍部の3~5cm程度の創だけです。当科では手術操作のほとんどすべてを内視鏡で行う手術(完全腹腔鏡・胸腔鏡手術)を行っており、よりからだにやさしい手術(低侵襲手術)を心がけています。また、疾患によっては消化器内科と共同で腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS; 上部消化管内視鏡手技と腹腔鏡手術の併用による手術)を行うこともあります。内視鏡外科手術では、術後の痛みも少なく、日常生活に早く復帰できますし、もちろん美容的にも優れています。一方、短所として、手術の難易度が高い、開腹よりも時間がかかる、可能な手術が限られるなど留意点もありますので、まず担当医師にご相談をお願いいたします。
2015年10月に当院に手術支援ロボットが導入されたのに合わせ、胃癌に対するロボット支援下手術を開始しました。ロボット支援下手術では、精密な3Dの立体的な視野のもので、手ぶれ制御機能を備え先端の動きに自由度の高い鉗子を用いて、より正確かつ安全、高度な手術が可能となっています。現在、胃癌に対するロボット支援下手術は、平成30年4月より保険適用となり、当科でも実績を重ねています。
当科では高度進行胃癌にも積極的に外科的介入治療を行っています。近年、化学療法などの薬物による治療成績が向上しており、症例によっては、治療前は手術の適応外であっても治療後に外科的治療の適応となることがあります。また、腹膜播種の診断において、積極的に審査腹腔鏡(NBI観察)を行っており、正確な診断が可能となっています。適切な治療時期を逸失しないように、また常により良い治療が提供できるように心掛けています。
食道疾患(食道癌、食道異物、逆流性食道炎、食道狭窄、食道破裂、食道裂孔ヘルニア、食道潰瘍、食道アカラシア、食道良性腫瘍)、胃癌、消化管間葉腫瘍(GIST)、胃・十二指腸潰瘍、甲状腺癌、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症
関連ページ
【BBT式によるS-1投与量の算出について】
このアプリはBBT式を用いてS-1投与量を算出するアプリです。
以下のサイトは医療関係者向けです。患者さん、一般の方向けではありませんのでご了承ください。
(URL)https://skxvayxu50rjpoyayjg4og.on.drv.tw/calculationPage/ (外部リンクへ移動します)
・本ウェブサイトはJSPS科研費JP22K15337の助成により制作しました。
・BBT式での利用実態に関するデータを収集しています。(なお、本院の「個人情報の取り扱いについて」に基づき、適切に取り扱いをしています。)
・注:動作確認はしていますが、実際の臨床使用に際しては医師の責任においてご利用ください。
このアプリに関する問い合わせ先:浜松医科大学外科学第二講座 053-435-2279