Speciality Guidance
一般的な開腹手術や開胸手術では、下の図の右側のイラストのようにおなかや胸などに15cmから25cmくらいの大きなきずができます。 このような開腹/開胸手術では、きずの痛みを伴いやすく、美容も損ねます。 それだけではなく、からだの負担が大きくなったり、おなかの中の炎症を伴ったりするために、胃腸の動きや体調が回復するのに時間がかかり、 おなかの中の癒着も広範囲に起こりやすくなります。
一方、内視鏡手術でできるきずは、0.5cm~1.5cmくらいのきずが数カ所と、切除した病変部を取り出すための3cm〜5cmくらいのきずが1か所だけです。 当科では手術操作のほとんどすべてを内視鏡で行う手術(完全内視鏡手術)も行っていて、不必要な開腹を加えることなく、 よりからだにやさしい手術(低侵襲手術)を心がけています。このため術後の痛みも少なく、日常生活に早く復帰できますし、もちろん美容的にも優れています。 内視鏡手術をうけられた患者様は、手術の当日もしくは翌日には歩行され、ご自分でトイレなどに行くことも可能となります。 翌日からは氷やお水を口にすることができ、2〜3日後には食事を開始され、5〜10日くらいで退院が可能となります。
腹腔鏡手術は、おなかに小さな穴を数個あけ、そこから腹腔鏡(カメラ)と細い手術器具を入れておこないます。 おなかの中に二酸化炭素ガスを注入してふくらませることで手術に必要なスペースが確保できます。 モニターに映った患者様のおなかの中を見ながら手術を進め、病変部位を切り取ったり、食べ物の通り道を縫い合わせたります。 おなかの中で行う手術そのものは開腹手術とまったく同じことを行っています。
この手術を胸の中で行う場合は胸腔鏡手術といいます。基本的には腹腔鏡手術と同様にして行います。
全ての手術を内視鏡手術で行えるわけではありませんが、優れた道具の開発や外科医の技術の向上により、少しずつ手術の範囲が広がってきています。 日本では1990年に胆のうを取る内視鏡手術(腹腔鏡下胆のう摘出術)が行われ始めました。現在では腹腔鏡下胆のう摘出術は標準的な手術となっています。 腹腔鏡での胃がんや大腸がんの切除といったより高度な技術を必要とする内視鏡手術も約20年前から徐々に始まり、最近増えてきています。 当科では内視鏡手術専用の手術室で以下の疾患に対して内視鏡手術を行っています。
当科では内視鏡切除(胃カメラ・大腸カメラ)、内視鏡手術(腹腔鏡・胸腔鏡)および従来の開胸・開腹手術のいずれにおいても高い知識・ 技術レベルを維持するよう努力しています。どうぞ御気軽に相談ください。
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