当センター設置の背景の一つは、医師の業務負担軽減です。NCD登録（*1）や院内がん登録（*2）、各種学会・研究グループへの症例登録は本国の疾病状況の把握、医療の質向上に大きく寄与し、必要不可欠なものです。しかし、その症例登録等の種類は増加の一途を辿っており、中にはデータ入力が煩雑なものもあります。これらの症例登録以外にも、医師が行っている事務的作業は非常に多く、診療業務を終えた医師の時間外業務の要因となっており、医師の労働環境改善は喫緊の課題でした。各診療科に医師事務作業補助者（*3）を配置したことにより、医師の業務負担軽減への効果が見られました。しかし、症例登録等に関しては、専門的知識を必要とする難しいものです。医師事務作業補助者が、その他の事務的作業と並行して症例登録等を行うのは容易ではありません。また医師事務作業補助者を各診療科に分散配置したことで人材の管理が難しいといった課題も生じました。
　そこで当センターに症例登録等の業務を集約し一元的に担うことで、専門的な知識を持ち症例登録等が行うことができる人材の育成・管理を可能としました。管理者には看護師長を副センター長として運用をスタートしております。

*1　NCD登録：本院では、一般社団法人 National Clinical Database で実施されている医療情報のデータベース登録へ参加しています。
*2　がん登録：本院ＨＰ/腫瘍センター/院内がん登録について（https://www.hama-med.ac.jp/hos/cent-clin-fac/oncol-ctr/cancer-registry/about.html）
*3　医師事務作業補助者：医師の指示の下に診断書や診療録などの書類作成を医師に代わって記載代行する事務職員。

業務内容

　当センターでは、現在主にNCD等の症例登録業務を行っています。主な登録作業者は、医師事務作業補助者４名（うち２名は診療情報管理士）です。また登録業務に携わったばかりの職員もおり、月に約400の症例登録に留まっていますが、今後は更に登録症例を増やしていき、更なる医師の業務負担の軽減を図っていく予定です。
　また、前述した通りDataOpsとはデータ活用の効率化を主としたデータ管理手法です。データ利用者である医師等に対して集約したデータを管理・分析し、活用しやすいものとして迅速に提供することを目標に、チーム一丸となって業務に取り組んでいます。

　当センターにおいては、次の業務を行う。
(1)　症例データの入力に関すること。
(2)　症例データの管理に関すること。
(3)　症例データの分析に関すること。
(4)　その他、症例データに関すること。