頭頸部がんの治療「頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)」を実施しました
2022年04月26日
本院耳鼻咽喉科 三澤清教授、望月大極助教らにより、高難度新規医療技術として静岡県下では初となる「頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)」を開始し、4月20日に1症例目を実施いたしました。
この治療は、がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質に結合する薬剤「アキャルックス®」(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え))を投与し、医療機器(レーザー装置:BioBlade®レーザシステム、一般名:PDT半導体レーザ)を用いてレーザ光を当てることによりアキャルックス®がこれに反応し、がん細胞の細胞膜が破壊されることでがん細胞を死滅させる治療法です。手術や放射線治療、化学療法などの標準的な治療が終了した後、またはそれらの標準的な治療が受けられない、切除不能な再発頭頸部扁平上皮がん患者に対する治療法となります。
本治療の保険適応となる症例は限られておりますが、地域の基幹病院として頭頸部がんに対する新たな治療選択として、今後も症例を重ねていきます。そしてより患者さんにあった治療法を今後選択できるよう努めてまいります。(本院は、外来受診予約制となっています。この治療に関するお問い合わせは、かかりつけ医を通してご相談ください。)
この治療について:
「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」を対象として、2020年9月に日本で楽天メディカル株式会社が製造販売承認された治療法です。所定のプログラム講習の修了や施設要件、医師要件を満たした医療機関で行われており、他の医療施設等で行われている光免疫療法とは異なります。また、前述の通り対象となる症例が限られていること、治療の留意点等がありますので、詳細は同社ホームページをご確認ください。
<本件に関するお問い合わせ先>
浜松医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室(〒431-3192 浜松市東区半田山1丁目20番1号)
教授 三澤 清
電話番号: 053-435-2252 /FAX番号 053-435-2253
kiyoshim@hama-med.ac.jp
同教室 助教 望月 大極
mdaiki@hama-med.ac.jp