Facility Guide
HCU(高度治療室:High Care Unit)は、ICU (集中治療室) と一般病床の中間にあたる高機能病床です。本院では、令和4年(2022年)5月から8床のHCUを新設しました。より多くの重症の患者さんに、より良い高度な医療がいきわたるようになりました。
ICUでは、生命の危機に直面した重症患者さんが入室します。24時間体制で高度な治療を行います。一方、HCUは、ICUにいる患者さんと比べると重症度は低いけれども、急に状態が悪くなる危険があったり、一般病棟ではケアが難しい患者さんが入室します。
診る病気を限定しないことや看護師が一目で監視できる点はICUと同じですが、HCUの特徴としては診療報酬の加算日数が21日までであることも挙げられます。(ICUでは診療報酬の加算日数は14日までです。)たとえば、ICUで14日間治療して、まだ不安定な状態が続く場合はHCUで7日間治療し、一般病棟へ転室するという流れになります。より長期に手厚い治療を行えることで、一度は命の危機に瀕した状況になってしまっても、救命だけでなく、家族と過ごす日常生活に戻り、社会復帰することを目標にできます。
新設した8床のうち、4床では人工呼吸器を必要とするような重症COVID-19患者受け入れも見据えて、部屋を陰圧に保つことができます。また、これら4床には通常の病棟と空間を隔てるための前室も備えています。医療者が感染防護のために着替えるほか、患者さんがいる部屋から出たゴミを処理します。空気感染対策は近年注目されてきましたが、結核や麻疹 (はしか) など古くから提唱されてきた概念です。COVID-19終息後も、有効に活用できることは間違いありません。高度な集中治療、特に感染対策を要する場合には多くの人と物、空間が必要です、これらを満たしている高機能病床が新設されたHCUです。
・心不全 (原疾患は問わない)
・虚血性心疾患、不整脈のカテーテル治療後
・脳血管障害 (くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)
・術後管理(肺がん、血管バイパス術などハイリスクな手術)
・救急疾患(多発外傷、中毒など)
・人工呼吸器管理、透析治療などの集中治療を要する場合 (原疾患は問わない)
・HCU室内 ・HCU廊下
・HCU患者用モニター(ナースステーション内)・陰圧個室前室