浜松医科大学医学部附属病院

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総合診療

2026年6月1日更新

1.はじめに


 プログラムリーダー 浜松医科大学地域家庭医療学講座 特任教授 井上真智子
  
 井上先生.jpgみなさん、こんにちは。浜松医科大学総合診療プログラムでは、

①家庭医コース(Shizuoka Family Medicine Program:SFM)

②病院総合診療医コース(Shizuoka Hospital Medicine Program:SHM)
を設け、病院や家庭医療クリニックなどの多様なセッティングにおける4年間の研修を通じ、総合医療医として必要な 外来・在宅・入院・救急 の診療能力を総合的に習得します。

 最初の3年間で総合診療専門医の受験資格を取得可能です。その後1年の研修で、家庭医療専門医や病院総合診療専門医を取得できます。希望の方は、内科や救急科とのダブルボード研修も可能です。

※どちらのコースも静岡県医学修学資金および自治医科大学卒業生の勤務条件に対応したプログラムです。

 

 家庭医・総合診療医は、多疾患併存や複雑な家族・社会背景を抱える患者が多い超高齢社会において、病院・診療所において地域包括ケアの要となる存在です。
 「子宮の中から天国まで」をモットーに、小児から高齢者まで、あらゆる年齢・性別の患者に対して包括的かつ継続的な診療を提供します。

〈以下のような志を持つ方に特にお勧めです!〉

 ・地域住民のニーズに応え、地域医療の現場で活躍したい方

 ・在宅医療や人生の最終段階のケアに携わりたい方

 ・子どもから高齢者まで、女性・思春期のケアも含めて家族まるごと診たい方

 ・臓器や疾患によらず、健康に関するあらゆる相談に対応できるようになりたい方

 ・患者さんを人として総合的に診て、その人らしい生活を支える医療がしたい方

 ・コモンな問題に加え、複雑・未分化な問題にも対応する、質の高い医療を目指す方

 ・将来開業を視野にいれている方

 

研修指導体制は家庭医・病院総合医のスペシャリストから構成され、多様な学びが可能です。
地域医療の未来を築く、やりがいのある専門分野で、ぜひ、私たちと一緒に学びませんか?

差し込み①.jpg *プログラム:https://www.shizuoka-fm.org/
*講座:https://hamamed-familymedicine.jp/

ぜひ Instagram, Facebook, LINE 登録を!

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問合せ先:
浜松医科大学総合診療専門研修プログラム事務局

TEL:053-435-2416
E-mail:sfm●shizuoka-fm.org(研修コーディネーター)
    fammed●hama-med.ac.jp(地域家庭医療学講座)(●を@に変換して送信してください)




①家庭医コース(Shizuoka Family Medicine Program:SFM)

2.目的

 当プログラムでは以下のような総合診療医・家庭医を育成します。

  1. 包括的なプライマリ・ケア診療
    家庭ぐるみのかかりつけ医(家庭医)として、小児・成人・女性・高齢者のケアを含むプライマリ・ケア診療ができるようになる。

  2. 患者中心性の追求
    患者中心の医療の方法論に基づき、誰もが安心してかかれる満足度の高い診療を提供する。

  3. 患者・家族の人生に寄り添う在宅診療
    最期まで患者とその家族の人生に寄り添い、在宅ケア・在宅緩和ケアを提供できる。

  4. グループ診療、多職種協働によるチーム医療
    医師複数体制のグループ診療を実践し、多職種協働による連携を重視したチーム医療を行うことができる。

  5. すべての年齢に応じたヘルスメンテナンス
    地域住民全体の健康を向上させるため、すべての年齢に応じたヘルスメンテナンスを提供できる。

  6. リサーチ活動で家庭医療学の発展をめざす
    家庭医療学およびプライマリ・ケアの発展のため、リサーチマインドを持って研究活動に取り組む。

 当プログラムでは、専攻医が指導医とともに、地域住民や行政と協働し、地域全体の健康づくりに貢献できる環境を整えています。さらに、世界家庭医療学会(WONCA)認証の国際標準カリキュラムを導入しており、日本プライマリ・ケア連合学会の「家庭医療専門医」の受験資格が得られます。

 

3.特徴

継続診療の醍醐味を経験し、家庭医としてのアイデンティティの形成を促進するため、1年次と2年次には週一回のハーフデイバック、3年次以降はワンデイバックとして、所属する家庭医療クリニック(菊川、森町、御前崎、藤枝)で継続診療を行います。一日の診療後には、指導医や専攻医仲間との振り返りを行い、家庭医として必要な知識、スキル、態度を学びます。この実践を通じて、家庭医としての専門性を高め、地域医療に貢献する力を養っていきます。

1. 家庭医療外来教育

外来患者ごとの指導:プリセプター(指導医)が一人ひとりの外来患者について指導を行います。幅広く、高い診療能力をもつ家庭医が教育を担当します。かかりつけ医の観点から、疾患の診断・治療のみならず、プライマリ・ケアの原理や患者中心性、そして予防接種・健診診断を含めたヘルスメンテナンス・ヘルスプロモーションにも配慮するよう指導します。

2.  充実したウィメンズヘルス研修

基本的スキルの習得:基本的な婦人科・産科診察法、妊婦検診、周産期管理を学修します。家庭医として必要なウィメンズヘルスの知識やスキルを習得し、家庭医療外来への統合を目指します。
浜松医科大学の寄附講座「産婦人科家庭医療学」の支援のもと、産婦人科と総合診療/家庭医療のダブルボードを持った指導医を中心に指導を行います。

3.  オリジナル研究プロジェクト

研究の実施とメンタリング:4年間を通じて、オリジナルな研究プロジェクトを実施します。必要な知識を身につけ、メンタリングを受けながら研究計画の立案・実施、データ収集、データ分析・まとめ、学会発表、論文発表を経験します。

4.  グランドラウンド(GR)

学習と振り返り:第2・4木曜日の午後にレクチャーやセミナー、ワークショップを開催します。専攻医や指導医のみならず、多職種での学習会も行います。また、経験や気づきを言語化して学びを深めるため、ポートフォリオの検討や振り返りを専攻医全員で行います。

5.  専攻医のウェルネスサポート

  ◆アドバイザー制度:専攻医はアドバイザー(指導医)との定期的なミーティングを通じて、家庭医とし
  ての成長を確認していきます。また、プログラム外のウェルネスサポーター(臨床心理士、精神科医、家 
  庭医)とも相談できる制度も整備しています。

 総合医療 アドバイザー制度.png 

4.研修カリキュラム

本プログラムは、日本専門医機構総合診療専門研修プログラムおよび日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門研修プログラムに準拠しています。

1. 総合診療Ⅰ(必修)         

期間:1年次:3ヶ月、3年次:3ヶ月、4年次:12ケ月(家庭医療)、計18ケ月
内容:家庭医療クリニックや小病院での外来・訪問診療を中心とした研修。3年次、4年次は家庭医療クリニックで外来・在宅診療を行い、子どもから女性、高齢者まであらゆる年代のケアを提供。また、在宅診療や緩和ケアの経験を積み、地域ケアとして地域の校医・嘱託医活動やpopulation healthの課題に取り組む。

2. 総合診療Ⅱ(必修)

期間:1年次:3ヶ月、2年次:3ヶ月、計6ヶ月
内容:診療科にとらわれず、病棟・外来診療や救急医療を広範囲に経験。希望に応じて、超音波検査や上部内視鏡検査などの研修を行うことができる。

3. 内科(必修)

期間:2年次:6か月
内容:家庭医療でよく遭遇する疾患にフォーカスした内科領域を集中的に研修。

4. 救急科(必修)

期間:1年次:3ヶ月
内容:救急科専門医の指導のもと、多岐にわたる救急医療に携わる。地域の救命救急機能の中核を担う病院で研修。

5. 小児科(必修)

期間:1年次:3ヶ月
内容:一般小児、小児救急、NICUの研修。

6. 産婦人科(必修)

期間:3年次:2ヶ月
内容:基本的な婦人科・産科診察法、妊婦健診、周産期管理を学修する。家庭医として必要なウィメンズヘルスの基本的な知識やスキルを身につける。

7. 整形外科(必修)

期間:3年次:2ヶ月
内容:基本的な診察手技やプライマリ・ケアでよく遭遇する疾患の診断・マネジメントを学ぶ。

8. 緩和ケア科(必修)

期間:2~3年次:2ヶ月
内容:緩和ケアの知識、スキル、態度を学び、家庭医として在宅緩和ケアを実践できることを目指す。

9. 精神科(必修)

期間:4年次、週2コマ×3ヶ月
内容:週1日の外来・病棟研修を行い、うつ病、パニック障害などプライマリ・ケアでよく遭遇するメンタルヘルスの診断・マネジメントと継続的なケアを学ぶ。

10. 皮膚科(必修)

期間:4年次、週2コマ×2ヶ月
内容:地域の総合病院の皮膚科にて週2コマの外来を行い、よく遭遇する皮膚疾患の診断・マネジメントを学ぶ。

11. 泌尿器科(必修)

期間:4年次、週1コマ×2ヶ月
内容:週1コマの外来を行い、よく遭遇する泌尿器疾患の診断・マネジメントを学ぶ。

12. 選択

期間:3~4年次:週2コマ×6ヶ月
内容:希望する診療科で週2コマの外来研修を行う。選択可能な診療科は眼科、放射線科、耳鼻科、形成外科、リウマチ科、児童精神・心療内科、エコー、内視鏡等から複数選択可能。ミシガン大学家庭医療科での研修(2週間)も希望に応じて調整可能。

  

5.研修例

総合診療 5研修例.png

 

6.研修病院群

基幹施設:浜松医科大学医学部附属病院

連携施設:菊川市家庭医療センター、森町家庭医療クリニック、御前崎市家庭医療センター・しろわクリニック、菊川市立総合病院、公立森町病院 、市立御前崎総合病院、磐田市立総合病院、中東遠総合医療センター、藤枝市立総合病院、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院、浜松医療センター、坂の上ファミリークリニック、坂の上在宅医療支援医院、浜松佐藤町診療所、袋井市立聖隷袋井市民病院、佐久間病院、西伊豆健育会病院、伊東市民病院、清水厚生病院、トータルファミリーケア北西医院、三島共立病院、榛原総合病院、市立湖西病院、南生協病院、伊豆保健医療センター、静岡医療センター、静岡徳洲会病院、JCHO清水さくら病院、伊豆赤十字病院

 

7.研修期間

 4年間

 総合診療専門研修 3年間+家庭医療専門研修 1年間(連動型)




②病院総合診療医コース(Shizuoka Hospital medicine Program : SHM)

2. 目的

 当プログラムでは、地域の急性期医療を支える「臓器・疾患横断型の急性期ジェネラリスト」を養成します。

  1. 病院医療に求められるジェネラルな診療
    臓器や疾患、治療、手技によって規定されない、患者の個別性に応じたジェネラルな診療を提供できる。

  2. 複雑・未分化な健康問題の診療
    複雑(急性期複合病態、下降期慢性疾患、多疾患併存、心理社会的複雑性)、未分化(診断未確定、根本的原因が不明確な状態)な健康問題を抱える患者に対する診療を身に着ける。

  3. 質の高い病棟診療
    Commonな急性疾患に対するエビデンスに基づく標準的な診療に加え、院内急変や入院中の合併症への適切な対応・予防を行い、入院医療の質・安全の向上に貢献する。

  4. リーダーシップ・マネジメントに基づくチーム医療
    複数医師によるチームでの入院診療をリーダーとして管理し、他診療科や他職種と連携して診療を進める。

  5. 学術活動による病院総合診療医学の発展への貢献
    リサーチマインドを持って医学界への貢献を目指して診療、研究活動に取り組み、成果を発表する。

3. 特徴

  1. 多様なセッティングの病院総合診療に適応する能力を身に着けられる、高度急性期病院と中小規模病院を組み合わせた研修
     高度急性期病院では、高度に専門分化された臓器別専門診療の狭間を埋める診療が求められ、内科を中心とした重症、診断困難な患者の診療を担います。また、専門性の高い救急集中治療を研修することができます。
     中小規模の地域基幹病院では、医療資源が限られ臓器別専門医が揃わない病院も多く、幅広い内科のcommon diseaseや、内科に留まらない全科二次救急の診療が求められます。急性期のみならず、回復期、慢性期の診療も担い、外来での慢性疾患に対するかかりつけ医機能も求められます。
     高度急性期病院と中小規模病院を組み合わせた研修によって、多様なセッティングの病院総合診療に適応できる能力を身に着けることができます。

  2. 病棟に常駐する指導医によるフィードバック総合診療2.病棟に常駐する指導医によるフィードバック.png
    Commonな急性疾患に対するエビデンスに基づく標準的な診療、院内急変や入院中の合併症に対する対応・予防、複雑・未分化な健康問題へのアプローチ、患者との共有意思決定、他科・他
    職種との連携、ケア移行、といった病棟診療を高い質で実践するために、指導医が病棟に常駐し、日常的なフィードバックを行います。

  3. 家庭医療・救急との強固な連携と相互研修
    同じ研修プログラム内の家庭医療クリニックでの外来や訪問診療の研修(総合診療Ⅰ)、本学附属病院救急科プログラムの研修施設での救急科研修を通して、総合診療医としての能力を高めます。また、それらのプログラムの専攻医が相互に研修施設を行き来し共に働くことで、ジェネラリストを志す仲間と皆で成長し合える環境です。
     
  4. プログラム全体でのOff-the-Job Training総合医療プログラム全体.png
    オンラインで研修施設をつないだ業務フリーのレジデントデイでは、領域・テーマごと、エキスパートによる勉強会や症例コンサルテーションを行います(テーマ例:診断推論、身体診察含む教育回診、学会発表・論文執筆、EBM、POCUSなどの手技、家庭医療、救急集中治療、感染症、膠原病、血液、心療内科、整形内科、リハビリ、緩和)。また、オンラインプラットフォームを利用し、学習資料の共有や診療相談、ディスカッションを行って、学び合い、交流します。

  5. アドバイザー(担当指導医)による個別サポート
    各専攻医に対して主研修施設の担当指導医がアドバイザーとなり、毎月の研修の振り返りや、研修記録(研修手帳や経験省察研修録、症例登録、病歴要約など)の進捗確認を行い、成長、研修をサポートします。

  6. 希望地域に応じた柔軟なローテート設計
    静岡県内の広範な連携施設のネットワークを生かし、専攻医が貢献したい地域に応じたローテートスケジュールを調整することができます。

  7. ジェネラリストとしての多様なキャリア形成を支援
    総合診療専門研修に加え、本学の内科専門研修・救急科専門研修プログラムとして病院総合診療研修を行うことや、総合診療専門医と内科・救急科専門医の期間短縮のダブルボード研修にも対応しています。研修修了後は、指導医取得やサブスペシャルティ研修、大学院進学・大学教員といったアカデミックキャリアなどの進路が相談できます。

4. 研修カリキュラム

本プログラムは、日本専門医機構総合診療専門研修プログラムおよび日本病院総合診療医学会病院総合診   療専門医プログラムに準拠しています。

  1. 総合診療Ⅰ(必修)
    期間・・・ 6ヶ月
    内容・・・ 家庭医療クリニックや小病院での外来・訪問診療を中心とした研修。子どもから高齢者まであらゆる年代のケアを提供。

  2. 総合診療Ⅱ(必修)
    期間・・・ 12ヶ月
    内容・・・ 診療科にとらわれず、病棟・外来診療や救急医療を広範囲に経験。6ヶ月は他診療科の研修に充てることが可能。

  3. 内科(必修)
    期間・・・ 6ヶ月
    内容・・・ 内科領域を集中的に研修。総合内科、臓器別専門内科の研修が可能。

  4. 救急科(必修)
    期間・・・ 3ヶ月
    内容・・・ 救急科専門医の指導のもと、多岐にわたる救急医療に携わる。地域の救命救急機能の中核を担う病院で研修。

  5. 小児科(必修)
    期間・・・ 3ヶ月
    内容・・・ 一般小児、小児救急、NICUの研修。

  6. 集中治療
    期間・・・原則3ヶ月
    内容・・・集中治療専門医の指導のもと、重症患者の管理を身につける。

  7. 選択
    期間・・・ 6ヶ月
    内容・・・ 希望する診療科での研修を行う。

5. 研修例

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6. 研修病院群

基幹施設:浜松医科大学医学部附属病院
連携施設:浜松医療センター、聖隷浜松病院、伊東市民病院、西伊豆健育会病院、
菊川市立総合病院、公立森町病院、市立御前崎総合病院、菊川市家庭医療センター、森町家庭医療クリニック、御前崎市家庭医療センター・しろわクリニック
磐田市立総合病院、中東遠総合医療センター、藤枝市立総合病院
聖隷三方原病院、袋井市立聖隷袋井市民病院、佐久間病院、清水厚生病院、三島共立病院、榛原総合病院、
市立湖西病院、南生協病院、伊豆保健医療センター、静岡医療センター、静岡徳洲会病院、
JCHO清水さくら病院、伊豆赤十字病院、坂の上ファミリークリニック
坂の上在宅医療支援医院、浜松佐藤町診療所、
トータルファミリーケア北西医院



7. 研修期間

4年間
総合診療専門研修 3年間+病院総合診療専門研修 1年間