浜松医科大学医学部附属病院

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診断・検査・治療について

当科は、脳神経外科領域において様々な疾患を診ております。脳腫瘍、脳血管障害、パーキンソン病、振戦、脊髄脊椎疾患、小児脳疾患、三叉神経痛、顔面けいれんなどを担当しています。手術は、顕微鏡、ナビゲーション、モニタリングを使用し、神経内視鏡も使用し、最近ではロボティックナビゲーションを用いた精度の高い手術を行っています。脳血管障害にはフローダイバーターステントなどの新医療機器を用いた血管内治療、機能的脳神経外科には定位脳手術なども行い、最先端の医療を行っています。脊髄・脊椎手術は、内視鏡で手術をするFull-Endoscopic Spine Surgery (FESS)を始めました。
以下に、代表的な対象疾患について説明します。

脳腫瘍

脳腫瘍は小児から高齢者まであらゆる年代の方が罹患する可能性のある疾患です。脳腫瘍と一口に言っても、発生する部位や悪性度など様々なタイプのものが存在し、100種類以上あります。代表的なものとしては、脳を覆う膜から発生する髄膜腫や、ホルモンの分泌をコントロールしている下垂体から発生する下垂体腺腫、神経膠細胞という脳を構成している細胞から発生する神経膠腫などがあり、肺癌など他臓器の癌が脳に転移を起こすこともあります(転移性脳腫瘍)。

脳腫瘍の主な検査はMRIとなりますが、下垂体腺腫や転移性脳腫瘍などでは採血結果が重要になる場合もあります。

治療は手術による摘出、化学療法、放射線治療が主体となり、診断に応じて最も適切なものを組み合わせていくこととなります。最近では、摘出した腫瘍の遺伝子変異を調べ、それに応じた個別化医療をご提案できる場合があり、当科でも積極的に行っております。

手術に関しては、当科では豊富な経験を有する複数人の医師を中心に、難易度の高い手術に関しても安全に治療を行っております。ナビゲーションシステムにて、正確に腫瘍の位置を同定し、さらに安全性を担保するために神経の働きを監視しながら行うようにしております。時に覚醒下手術といって、手術中に麻酔から少し目覚めていただき、言葉の機能や手足の動きに障害がないかチェックしながら摘出を進める方法も行っております。腫瘍の部位によっては、従来用いられてきた手術用顕微鏡以外にも、神経内視鏡や外視鏡といった新しい医療機器を用いた手術も積極的に取り入れており、より安全な手術が可能となっております。

脳血管障害

おもな脳血管障害としては、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)があげられます。脳卒中は発症してからの時間によって治療方法、予後に大きな差が出てくることが知られており、迅速な対応が必要な場合があります。より早期の診断、より早期の治療開始のために当科は全力をあげて対応しています。これら脳卒中に対する診療体制整備は脳卒中・循環器病対策基本法(「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」)の成立により現在、本邦での重点課題としてあげられており、その中心を担う施設として当院は活動しています。

また、脳卒中予防のための未破裂脳動脈瘤や頸部頸動脈狭窄症等の治療にも力を入れており、患者様にとって低侵襲、高い安全性、かつ最大限の有効性、これらの観点から治療法をカテーテル治療、顕微鏡手術から選択して行っています。脳卒中の原因となる脳血管奇形(脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻など)、静脈洞血栓症などの比較的まれな疾患に対しての治療経験も豊富に有しています。

脳血管障害に対する検査は、CT、MRI、血管造影、脳血流検査(SPECT)、超音波検査などの画像検査から脳血管障害の原因となる生活習慣病に対する検査まで、患者様のこれまでの受診状況などから必要な検査を行っていきます。

脳血管障害に対してのカテーテル治療として、最新のステントやコイルなどの治療機器(フローダイバーターステントなど)も積極的に行っており、静岡県内では数少ない日本脳神経血管内治療学会 指導医が常時勤務している施設であり、質の高い医療を提供できるように日々の診療を行っています。

機能的脳神経外科

機能的脳神経外科とは、外科的な方法で神経の機能障害を改善したり、神経回路の調節を行う脳神経外科の一分野です。薬によって十分な改善が得られない場合に行われます。対象となる病気や治療法には様々なものがあり、以下に代表例を示します

  1. 不随意運動症:パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなど

    自分の意思と関係なく手足、体が勝手に動いてしまう現象を指します。ふるえや異常な動き、時に動きが止まってしまうものも含まれ、生じる部位も体の一部や全体に及ぶものなど様々です。下記の治療があります。

    • 脳深部刺激術(DBS):
      脳内に細い電極を設置して脳の一部を刺激することにより症状を改善する治療です。小型の刺激装置を前胸部皮下に埋め込み、細い配線を皮下に通して頭部の電極と接続します。調節性があり、左右両側の治療が可能です。
    • 凝固術:
      脳の一部を熱により凝固することで症状を改善します。多くの場合、治療後すぐに症状の改善が見られます。原則的には左右いずれか一側のみの治療となります。最近では頭を切開せず凝固できる集束超音波治療(FUS)も行われるようになりました。
      いずれの治療が向いているかは患者さんにより異なり、治療前に詳しい診察や検査が必要となります。
  2. 疼痛(痛み)、痙縮(手足の筋肉の異常なつっぱり):脳卒中後、頭部外傷後など

    脳の一部が障害されると、その部位に関係した体の一部に強い痛みやつっぱりが出てくることがあります。疼痛には脊髄刺激療法(SCS)、痙縮にはバクロフェン髄注療法(ITB)などが行われます。

  3. 神経血管圧迫症候群:顔面けいれん、三叉神経痛など

    頭蓋内で神経が血管により圧迫され、顔の片側にけいれん、痛みなどが生じることがあります。外科的治療として神経血管減圧術が行われます。

小児脳神経外科

小児の脳疾患は大人と違い、特殊な治療が必要です。特に小児脳腫瘍は小児がんの中で血液がんの次に頻度の高い疾患です。当施設では、小児脳腫瘍に対し、小児科、放射線科、病理部などの先生方と一緒に包括的な医療を行っています。

小児脳腫瘍は小児がんの中で血液がんの次に頻度の高い疾患です。特に小児脳神経外科として、小児脳腫瘍の外科的治療を行っています。顕微鏡、ナビゲーションを用いたり、神経内視鏡を使用したり、様々な手術機器を用いて、最大限の摘出を行い、安全な治療を目指しています。小児脳腫瘍症例も、時に小児専門病院から相談を受けることもあり、少しずつ症例が増えているところです。

その他、くも膜嚢胞やキアリ奇形等の奇形疾患についても治療を行っています。

その他の疾患

脊髄・脊椎外科、頭部・神経外傷についても当院で治療を行っております。脊髄・脊椎外科では、内視鏡で手術をするFull-Endoscopic Spine Surgery (FESS)も開始しております。頭部・神経外傷では救急部と協力して患者の受け入れを行い、緊急手術を含め対応しております。

人を対象とする医学系研究に関する情報公開文書

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なお、この研究の研究対象者に該当すると思われる方の中で、ご自身の試料(例:血液など)や診療情報(例:カルテの情報など)をこの研究に使ってほしくないと思われた場合にも、下欄の問い合わせ担当者までその旨をご連絡下さい。

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〒431-3192

浜松市東区半田山一丁目20番1号

浜松医科大学

部署名:脳神経外科学講座

担当者:黒住和彦

TEL:053-435-2281

E-mail:kurozu20
※上記アドレスに@hama-med.ac.jpを補完してください。