浜松医科大学医学部附属病院

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診断・検査・治療について

診断・検査・治療の流れ

白血病をはじめとした血液疾患の診断には、造血の場である骨髄の状態を確認することが重要になります。そのため腸骨(骨盤の骨)に骨髄穿刺針という専用の針を刺して、少量の骨髄液を吸引する検査(骨髄穿刺)を行い、細胞の形態や造血の状態を調べます。悪性リンパ腫では、腫れているリンパ節を生検して病理学的に組織診断することが重要になります。これらの血液悪性疾患の多くは加齢等により生じた染色体や遺伝子の異常が原因であることが多く、近年、これらの異常の違いにより抗がん剤の反応性や治療方法が異なってくることが判明しているため、採取した骨髄液やリンパ節を使ってこれらの異常を調べることが必須になっています。一方、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫では病期(疾患の進行度)を判断するためレントゲン検査、CT、FDG-PETなどの画像検査が必要になります。これらの検査で病気の診断と進行度を確定した後、適切な治療を行うことになります。

 当院では、血液悪性腫瘍(急性白血病や悪性リンパ腫)に対する抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療の選択にあたっては、日本血液学会のガイドラインに沿った標準的な治療を行っています。また、適応があれば、自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法や同種造血幹細胞移植も行われます。慢性骨髄性白血病ではイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ボナチニブといった分子標的治療薬、多発性骨髄腫ではレナリドマイド、ポマリドマイド、ボルテゾミブ、イキサゾミブ、ダラツムマブ、イサツキシマブの導入により治療成績の大きな進歩が見られており、当院でも積極的に治療に用いています。さらにCAR-T細胞(キムリア)療法についても2021年4月から当院でも導入可能になっており、大学病院の重要な役割の一つである高度な血液疾患治療を必要としている患者さんに提供できるように心がけています。

得意とする診断治療

当院は、血液疾患全般の診療を行っています。特に血液悪性腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍等)のがん薬物治療を得意としており、急性白血病や慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群を対象とした臨床試験を行っているJALSG(日本成人白血病研究グループ)に所属し、質の高い治療を行っています。また当院は、日本骨髄バンク、日本臍帯血バンクの認定施設であり、移植の適応があれば、非血縁者間骨髄移植や非血縁者間臍帯血移植を含めた同種造血幹細胞移植も行うことが可能です。さらにCAR-T細胞(キムリア)療法についても2021年4月から導入し、適応のある患者さんに対して行える診療態勢となっています。

主な対象疾患

1. 白血病
  急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病
2. 悪性リンパ腫
3. 多発性骨髄腫
4. 骨髄異形成症候群
5. 骨髄増殖性腫瘍
  真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症
6. 再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血
7. 特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)
8. 凝固異常症
  血友病、フォンビルブランド病
9. その他
  白血球減少、様々な原因による貧血、血小板減少症、リンパ節腫大の検索など

取り扱っている特定疾患・高度な医療

(特定疾患)

再生不良性貧血、不応性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、アミロイドーシス

(高度な医療)

がん分子標的療法、自家末梢血幹細胞移植、同種幹細胞移植、CAR-T細胞(キムリア)療法

施設認定

  • 日本血液学会認定研修施設
  • 日本骨髄バンク認定施設
  • 日本臍帯血バンク認定施設
  • 非血縁者間末梢血幹細胞採取・移植認定施設 
  • 日本臨床腫瘍学会認定施設
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設
  • 日本造血・免疫細胞療法学会 移植認定施設(カテゴリーI)
  • CAR-T細胞療法(キムリア)治療提供可能施設