Speciality Guidance
当科では、口腔内の疾患を対象に広範な治療を行っております。中でも特に積極的に取り組んでいる疾患は、口腔がん、顎顔面外傷、唇顎口蓋裂、顎変形症です。これらの疾患はただ治癒すれば良いというものではなく、患者さんのQOLを考慮し機能的および審美的にも優れた治療が重要となります。
口腔がん治療では、しかし、大きく進行してしまったがんでは切除部位に身体の他の組織を移植(主に前腕皮弁、腹直筋皮弁、前大腿外側皮弁、腓骨皮弁)しなければ機能的治癒は得られません。当科では遊離皮弁による再建術(顕微鏡下での微小血管吻合、マイクロサージャリーの技術が必要)により拡大切除と再建を一回の手術で行っており良好な機能的回復を得ております。また、機能温存が優先される症例では、当院放射線治療科と連携し放射線治療を検討します。種々の専門外来と連携し副作用の少ない最新の抗がん剤を使用した化学療法を行うことも可能です。
顎顔面外傷治療では、審美的回復のみならず咬合の回復が重要です。3次元CT、咬合模型から術前に精密に咬合状態を検討し、術後は受傷前と同様の咬合を回復させております。
唇顎口蓋裂治療では、正常な構音機能を獲得するためには口蓋形成術での微細な軟口蓋の筋形成が必要です。このため手術は顕微鏡下で施行しており、かなり多くの患者さんにおいて良好な治療結果となっております。なお、治療の進め方や術前・術後の留意点などがあります。ご相談は、かかりつけ医を通してご連絡をお願いいたします。
顎変形症治療では、下顎枝矢状分割術、Le Fort Ⅰ骨切り術、上下顎歯槽部骨切り術、等あらゆる術式が可能です。原則的に保険診療で行っております。