浜松医科大学医学部附属病院

採用・募集

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免疫リウマチ内科

2026年6月1日更新

 

1.はじめに

  膠原病・リウマチ疾患は、難病や慢性疾患が多い領域ですが、近年は診断・治療が大きく進歩し、多くの患者さんが「社会的寛解」を維持しながら生活できる時代になっています。単に病気を抑えるだけでなく、患者さんが仕事や家庭など、自分らしい生活を続けられるよう支えることが、現在のリウマチ診療の大きな目標です。

この領域では、「疾患を診る」だけではなく、「患者さんを診る」姿勢がとても大切です。当科では、医師だけでなく、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーなど多職種と密に連携しながら診療を行っています。また、地域の医療機関とも積極的に連携し、患者さんが住み慣れた地域で安心して治療を続けられる体制づくりにも力を入れています。

 膠原病・リウマチ疾患は全身性疾患であり、特定の臓器だけでなく全身を総合的に診る力が求められます。そのため、当科での研修では、免疫学的な基礎から臨床判断までを丁寧に学びながら、内科医としての総合的な実力を身につけることができます。「なぜこの症状が起きているのか」「どの治療が最適なのか」を考え続けることが、この分野の面白さでもあります。

 当科の特徴のひとつが、「グループ診療制」です。約15年前から継続しているこの体制では、複数の医師がチームとして患者さんを担当します。これはワーク・ライフバランスへの配慮だけでなく、より質の高い医療と教育を実現するための仕組みでもあります。治療の選択肢が増えた現在のリウマチ診療では、患者さんごとに最適な治療を選ぶための議論が欠かせません。日々の診療の中でエビデンスに基づいた議論を重ねることで、若手医師も自然と考える力や判断力を身につけることができます。

 また、チームとして診療を行うことで、安心して休暇を取得しやすい環境が整っており、医師として成長しながら自分の生活も大切にできる体制を整えています。長く医師として働いていくためには、こうした環境も非常に重要であると私たちは考えています。

 静岡県ではリウマチ膠原病専門医が不足しており、県内唯一の医科大学として専門医を育成することは当科の大きな使命です。地域医療を支える専門医として成長していく実感を持てることも、このプログラムの魅力のひとつです。

 「リウマチ膠原病=グルココルチコイド」という時代は終わり、治療は日々進化しています。その変化を実感しながら、患者さんの人生に長く寄り添う医療を学ぶことができる分野です。

「考え、議論し、成長できる環境がここにあります。」

 内科医としての総合力と、リウマチ膠原病の専門性の両方を身につけたい方、チームで支え合いながら成長したい方、そして患者さんに寄り添う医療を実践したい方を、私たちは心よりお待ちしています。

プログラムリーダー 
浜松医科大学医学部免疫リウマチ内科 科長兼病院講師 下山 久美子

 

2.目的

 本プログラムは、初期臨床研修を終えて膠原病・リウマチ内科領域専門医を目指す医師を対象としている。本プログラムでsubspeciality研修を選択した場合、最短で卒後6年目に内科専門医を取得し、卒後7年目に膠原病・リウマチ内科領域専門医試験を取得できる。

(1) 研修は、(A)ネットワーク責任病院としての浜松医科大学医学部附属病院と(B)リウマチ膠原病科 において基本的なリウマチ膠原病学の習得を目指すリウマチ膠原病専門基幹病院において行う。

(2) リウマチ膠原病の知識のみならず、一般内科医としての必要かつ十分な知識と技術を身につける。

 

3.目標

 日本リウマチ学会の「膠原病・リウマチ内科領域専門医研修カリキュラム」に準拠した研修を行う。

(1) 膠原病・リウマチ内科領域専門医としての基礎知識および臨床的知識を習得する。

(2) 膠原病・リウマチ内科領域専門医としての診療技術(診察、検査、診断、治療)を習得する。

(3) 膠原病・リウマチ内科領域専門医としての手術、処置技術を習得する。

(4) 膠原病・リウマチ内科領域専門医としての医療倫理、医療安全、医療システム(診療関係書類、

    保険医療、指定難病、小児慢性特定疾患、身体障害者手帳、介護保険)を習得する。

(5) 膠原病・リウマチ内科領域専門医としての生涯教育を学ぶ。

(6) 整形外科・多職種カンファレンスに参加し、関節手術の見学を行う。

 

4.特徴

(1)膠原病・リウマチ内科領域専門医は、特定の臓器の障害だけでなく、広く全身の異常を的確に把握する
   能力が求められる。このため、まず病歴聴取、身体所見の確実な取得ができるように指導する。

(2) Problem oriented systemに従い、アセスメントおよびプランの策定ができる能力を養成する。

(3) 一般臨床検査ならびに免疫学的検査の意義、解釈方法などを習得する。

(4) 全身的な異常の把握のためには、生理検査・画像検査が欠かせない。超音波・CT・MRI・核医学検査     などの意義と読影法を習得する。

(5) 貴重な症例を経験した際には、学会発表を経て、論文報告の指導を行う。

(6) 本プログラムに参加している指導医は多くが医学博士号および内科専門医、総合内科専門医、膠原     病・リウマチ内科領域専門医資格を有しており、一部の指導医は国際的な学会発表や英語論文の指導が     可能である。

(7) 本プログラム修了後には、一般病院勤務、大学病院での診療・研究・教育活動(大学院含む)、国内
    および海外留学などさまざまなキャリア形成が可能となっている。

 

5.研修カリキュラム

(1) 最新の日本リウマチ学会膠原病・リウマチ内科領域専門医研修カリキュラムをもとに作成されている。
    1年間の内科専門研修の後、3年間の膠原病・リウマチ内科領域専門医研修を終えた時点で、日本リウ
    マチ学会膠原病・リウマチ内科領域専門医の受験資格の要件を1つ満たすこととなる。

(2) 提供される教育機会

   ・膠原病・リウマチ内科領域専門医による症例発表会と臨床研究の検討会

   ・各医療機関における症例検討会(CPC含む)および論文抄読

   ・静岡リウマチネットワーク学術講演会への参加

   ・免疫リウマチ内科、整形外科合同カンファレンスへの参加

   ・英語による症例プレゼンテーションレッスンへの参加

   ・日本内科学会(総会、地方会)への参加と教育セミナーへの出席(単位認定)

   ・日本リウマチ学会(総会、地方会)への参加と発表(単位認定)

   ・関連学会への参加と発表
    

    

6.研修例

1

卒後3年目

4

5

6

7

8月

9月

10

11

12

1月

2月

3月

浜松医科大学附属病院ローテーションでの内科研修

2年目

卒後4年目

4

5

6

7

8月

9月

10

11

12

1月

2月

3月

A.浜松医科大学附属病院またはB.リウマチ膠原病専門基幹病院subspeciality研修

3年目

卒後5年目

4

5

6

7

8月

9月

10

11

12

1月

2月

3月

A.浜松医科大学附属病院またはB.リウマチ膠原病専門基幹病院subspeciality研修

4年目

卒後6年目

4

5

6

7

8月

9月

10

11

12

1月

2月

3月

○内科専門医取得

5-6年目

卒後7-8年目

4

5

6

7

8月

9月

10

11

12

1月

2月

3月

膠原病・リウマチ内科領域専門医取得

7.研修指定病院

 (A) 浜松医科大学医学部附属病院免疫リウマチ内科

 (B) リウマチ膠原病専門機関病院:市立御前崎総合病院、藤枝市立総合病院、沼津市立病院、
   聖隷浜松病院、聖隷三方原病院、浜松医療センター、静岡県立総合病院、藤田医科大学病院

8.研修期間と研修内容

(1) プログラム全体の研修期間は4年間

(2) 研修内容と到達目標

・第1段階

  ①基礎知識
    基礎免疫学、自己免疫、免疫不全、病理、疫学、遺伝学、関節の構造と機能、炎症など

  ②リウマチ性疾患の主要症候
    全身症状、関節症状、関節外症状

  ③検査
    免疫血清検査、病理組織学的検査、免疫遺伝学的検査、各種画像検査、生理学的検査など

  ④治療
    抗リウマチ薬、免疫抑制療法、関節穿刺法、血液浄化療法、リハビリテーション、外科治療

  ⑤リウマチ性疾患
    全身性結合織病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、突発性炎症性筋疾患、
    血管炎症候群)、膠原病類縁疾患(シェーグレン症候群、ベーチェット病など)、脊椎関節炎、
    自己炎症性疾患、リウマチ性免疫関連有害事象、変形性関節症、感染に伴う関節炎、代謝性関節炎、
    新生物、骨軟骨疾患、関節外疾患など

・第2段階

  リウマチ性疾患の病態を理解し、専門医の指導の下に一般的な診断・治療ができる。自己抗体の測定法、意義の習得。グルココルチコイド、免疫抑制薬の使い方の習得。

・第3段階

 リウマチ性疾患の病態を理解し、専門医の指導の下に高度な診断・治療ができる。グルココルチコイ ドパ ルス療法、生物学的製剤の使い方、血液浄化療法(血漿交換療法、白血球除去療法)の習得。リス ク評価、成人移行、プレコンセプションケア・妊娠/出産、手術時の対応などについて取得する。

・目標症例数

   ①関節リウマチ       30例   ②全身性エリテマトーデス  10例

③強皮症            5例   ④多発性筋炎/皮膚筋炎     5例

⑤血管炎症候群         3例   ⑥ベーチェット病        5例

⑦シェーグレン症候群    10例   ⑧混合性結合組織病       5例

⑨血清反応陰性脊椎関節症    2例   ⑩線維筋痛症          5例