Adoption Information
血液疾患は、その特性上、診断と治療方針の決定が早急に求められることも稀ではありません。また抗がん剤や分子標的療法などでは、適切な有害事象の管理が必要になります。このため、最新の知識だけではなく、総合内科的な幅広い能力に加えて、造血細胞移植患者などの重症患者では全身を管理する能力が求められます。まさに内科医の力量が十分に発揮できる、やりがいのある診療科の一つであるといえるでしょう。診断から治療方針の決定、治療の実施に至るまで、一貫して自分たち血液内科医が主体となって行うことができます。近年では、治療の進歩によって患者さんの治療成績が飛躍的に向上していることも魅力だと思います。本冊子は、「内科医を目指すことは決めているけれど、血液内科と他の内科を迷っている」もしくは「血液内科に決めているけれど、他の病院のプログラムにするかどうか迷っている」という先生方も読まれると思います。以下に自分が考える血液内科の魅力と当院のプログラムの特徴を述べたいと思います。
プログラムリーダー 浜松医科大学医学部 内科学第三講座 病院講師 永田泰之
血液内科の魅力
浜松医科大学 血液内科で専攻医時代を過ごすメリット
血液内科をサブスペシャリティとする場合は、診療科重点コースを選択して頂きます。最初の2年間は、大学で研修することを基本としていますが、これは大学病院でしっかり血液診療の基本を学んでから関連施設での研修をしてもらうためです。具体的には、専攻医初年度(医師として3年目)は各科をローテーションし、内科専門医プログラムに求められている症例を受け持っていただきます。総合内科専門医試験受験のための必要症例数が不足している場合は、他科と相談してローテーション先を適宜調整することが可能です。専攻医2年目からは血液内科の専門的な研修となります。入院診療では屋根瓦式を採用しています。また、上級医とともに初診外来を担当してもらうことで外来診療のスキルを身に着けてもらうことと、入院診療のみでは経験できない疾患を受け持つことができるようにしています。
連携施設は、図でも示しているように浜松医療センター、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院、磐田市立総合病院の4施設になります。血液内科ではチーム医療が求められるため、病床数の多い総合病院にスタッフを集約しています。各病院に3-6名のスタッフを配置することで医師のQOMLを保ちながらグループでの診療を可能としています。
3.1. 卒後6~8年目
血液専門医、がん薬物療法専門医、造血細胞移植認定医、日本がん治療認定医、輸血細胞治療学会専門医の取得のためには、診療経験のほか、学会発表や論文発表が必要となります。大学病院または関連病院で診療に従事しながら臨床経験を積みつつ、これらの資格が取得できるよう血液内科としてサポートしていきます。内科専門医研修中にサブスペシャリティ研修を並行して行っている場合は、最短で卒後7年目または8年目より血液専門医の受験資格を得ることができます。当院は東海・北陸ブロックの地域移植拠点病院に認定されており、造血細胞移植を学びたい方はトレーニングのために国内留学することが可能です。
3.2. 卒後8年目以降
血液内科医としてのキャリアを関連病院や大学病院でさらに積んでもらいます。浜松医科大学の博士号取得を希望される場合は、卒後8年目以降を目処に大学院へ進学していただきます。2022年5月時点で、血液内科には3名の大学院生が在籍しており、基礎の研究室とコラボレーションして研究に励んでもらっています。大学院の4-6年間は、入院診療業務は免除とし、研究にしっかり打ち込んでいただける環境を提供しています。また、臨床からも完全に離れてしまわないよう、初診外来で専攻医の外来診療の指導を担当していただいたり、兼業として外病院での外来診療を担当していただいたりしています。また、収入面では研究に影響がでない範囲で収入が維持できるよう兼業先の斡旋には配慮しています。大学院の進学の希望がない場合でも、日本血液学会指導医の取得を推進しておりサポートしています。妊娠・出産・育児などのライフイベントとキャリアプランを両立できるよう、男女とも育児休暇の取得を推奨しているほか、育児中の当直・当番業務などへも配慮しています。キャリアプランは人それぞれの考えがあって当然ですので、気兼ねなくご相談ください。
浜松医科大学 血液内科科長 永田泰之
mail:yasu●hama-med.ac.jp(●を@に変換して送信してください)
担当者 永田泰之 mail: yasu@hama-med.ac.jp(●を@に変換して送信してください)
第三内科事務 (研究棟4階 432号室) TEL: 053-435-2267 FAX: 053-434-2910
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