浜松医科大学医学部附属病院

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血液内科

2025年6月25日更新

 

1.はじめに

 血液内科:永田泰之先生.jpg血液疾患は、その特性上、診断と治療方針の決定が早急に求められることも稀ではありません。また抗がん剤や分子標的療法などでは、適切な有害事象の管理が必要になります。このため、最新の知識だけではなく、総合内科的な幅広い能力に加えて、造血細胞移植患者などの重症患者では全身を管理する能力が求められます。まさに内科医の力量が十分に発揮できる、やりがいのある診療科の一つであるといえるでしょう。診断から治療方針の決定、治療の実施に至るまで、一貫して自分たち血液内科医が主体となって行うことができます。近年では、治療の進歩によって患者さんの治療成績が飛躍的に向上していることも魅力だと思います。本冊子は、「内科医を目指すことは決めているけれど、血液内科と他の内科を迷っている」もしくは「血液内科に決めているけれど、他の病院のプログラムにするかどうか迷っている」という先生方も読まれると思います。以下に自分が考える血液内科の魅力と当院のプログラムの特徴を述べたいと思います。

プログラムリーダー 浜松医科大学医学部 内科学第三講座 講師 永田泰之

 

血液内科の魅力

1. 内科の力で悪性腫瘍を治したい

 ✔ 分子標的薬や移植治療、免疫療法の進歩により、治癒を期待できる造血器腫瘍が増えてきました。

 ✔ 診断から治療方針まで自分自身で主体的に治癒を目標に診療できます。

2. 全身を診れる医師になりたい

 ✔ 血液疾患の治療では、感染症の知識は当然のこと、電解質や血糖コントロールを含めた全身管理などの   

  総合的な医療技術が 要求されます。

 ✔ 専門性が高いだけでなく、全身を診れる内科らしい内科医になれます。内科があっての血液内科です。

 ✔ 緩和ケアも学ぶことができます。

3. 忙しい?

 ✔ 重症な患者さんを診ることはどの科でも当然あります。一人で悩むようなことがないよう、いつでも

  相談できるシステムが血液内科にはあります。

 ✔ 夜間や週末は完全当番制のため、オン/オフを切り替えてメリハリをつけて仕事ができます。

4. 研究にも興味があるのですが?

 ✔ 臨床と研究が密接にリンクしていて基礎研究の結果が実臨床につながります。

 ✔ 血液疾患の発症機序は、分子細胞学的研究から次々に明らかにされています。血液内科は、それがいち

  早く治療薬の開発につながり、臨床の場に応用されるのが特徴です。

浜松医科大学 血液内科で専攻医時代を過ごすメリット

1. ガイドラインに沿った標準的治療を学ぶことができる

  ✔ 大学病院では、担当する患者さんが多くなりすぎないように配慮しています。このため、じっくり

   患者さんと向き合うことができます。

  ✔ カンファランスなどを通じてガイドラインに沿った標準治療を学ぶことができます。最初に標準的

   治療方法を学ぶことが重要ですので血液内科の基本を学ぶには最適な環境です。

  ✔ 日本血液学会認定の血液指導医4名で指導にあたります。

2. 最新の治療を学ぶことができる

  ✔ 骨髄バンクと臍帯血バンクの認定施設であり、造血細胞移植医療を経験することができます。移植

   学会認定医3名が在籍しています。

  ✔ 2021年4月から静岡県内唯一のCAR-T細胞療法の認定施設になりました。最新の免疫細胞療法を学ぶ

   ことができます。

3. 学会発表をしっかり指導してもらえる

  ✔ 学会での発表は経験を積むことが重要です。当科では学会発表の準備段階からサポートできる学術

   指導体制を整えています。

  ✔ 基礎研究に興味がある方は大学院生から生の声を聞くことができます。

4. Quality of My Life (QOML)

  ✔ 夜間や週末は完全当番制です。有給消化のため月1回の有給休暇を奨励しています。

  ✔ 収入面では通常の業務に影響しない範囲で兼業(健診業務や夜間当直業務など)を斡旋しています。





2.内科専門研修プログラムの選択と医局関連施設

 血液内科をサブスペシャルティとする場合は、診療科重点コースを選択して頂きます。最初の2年間は、大学で研修することを基本としていますが、これは大学病院でしっかり血液診療の基本を学んでから関連施設で血液内科:関連施設.pngの研修をしてもらうためです。具体的には、専攻医初年度(医師として3年目)は各科をローテーションし、内科専門医プログラムに求められている症例を受け持っていただきます。総合内科専門医試験受験のための必要症例数が不足している場合は、他科と相談してローテーション先を適宜調整することが可能です。専攻医2年目からは血液内科の専門的な研修となります。入院診療では屋根瓦式を採用しています。また、上級医とともに初診外来を担当してもらうことで外来診療のスキルを身に着けてもらうことと、入院診療のみでは経験できない疾患を受け持つことができるようにしています。

 医局連携施設は、図でも示しているように浜松医療センター、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院、磐田市立総合病院の4施設になります。血液内科ではチーム医療が求められるため、病床数の多い総合病院にスタッフを集約しています。各病院に3-6名のスタッフを配置することで医師のQOMLを保ちながらグループでの診療を可能としています。静岡県キャリア形成プログラムや医局関連病院以外の病院での研修を希望される場合には、静岡県内の連携施設での研修についても相談できるような体制を整えていますのでお気軽にご相談ください。

 

3.内科専門研修プログラム終了後(医師6年目以降)、学位取得も含めて

3.1. 卒後6~8年目

 血液専門医、がん薬物療法専門医、造血・免疫細胞療法認定医、日本がん治療認定医、輸血・細胞治療学会専門医の取得のためには、診療経験のほか、学会発表や論文発表が必要となります。大学病院または医局関連病院で診療に従事しながら臨床経験を積みつつ、これらの資格が取得できるよう血液内科としてサポートしていきます。内科専門医研修中にサブスペシャルティ研修を並行して行っている場合は、最短で卒後7年目または8年目より血液専門医の受験資格を得ることができます。当院は東海・北陸ブロックの地域移植拠点病院に認定されており、造血細胞移植を学びたい方はトレーニングのために国内留学することが可能です。

3.2. 卒後8年目以降

 血液内科医としてのキャリアを医局関連病院や大学病院でさらに積んでもらいます。浜松医科大学の博士号取得を希望される場合は、卒後8年目以降を目処に大学院へ進学していただきます。2025年5月時点で、血液内科には2名の大学院生が在籍しており、基礎の研究室とコラボレーションして研究に励んでもらっています。大学院の4-6年間は、入院診療業務は免除とし、研究にしっかり打ち込んでいただける環境を提供しています。また、臨床からも完全に離れてしまわないよう、初診外来で専攻医の外来診療の指導を担当していただいたり、兼業として外病院での外来診療を担当していただいたりしています。また、収入面では研究に影響がでない範囲で収入が維持できるよう兼業先の斡旋には配慮しています。大学院の進学の希望がない場合でも、日本血液学会指導医の取得を推進しておりサポートしています。妊娠・出産・育児などのライフイベントとキャリアプランを両立できるよう、男女とも育児休暇の取得を推奨しているほか、育児中の当直・当番業務などへも配慮しています。キャリアプランは人それぞれの考えがあって当然ですので、気兼ねなくご相談ください。



プログラム責任者

浜松医科大学 血液内科科長  永田泰之
mail:yasu●hama-med.ac.jp(●を@に変換して送信してください)

連絡先

担当者 永田泰之 mail: yasu@hama-med.ac.jp(●を@に変換して送信してください)

第三内科事務 (研究棟4428号室) TEL: 053-435-2267  FAX: 053-434-2910