浜松医科大学医学部附属病院

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皮膚科

2023年8月1日更新 

1.プログラム内容

 皮膚科は、皮膚という臓器に専門性を特化している。この点は臓器別に区分けされた他の診療科と同じではあるが、皮膚科では、子供から老人まで、視診から病理診断まで、内科的から外科的治療まで行う。そのため、多様な患者さんを最初から最後まで責任をもって診療する科である。アトピー性皮膚炎や蕁麻疹のような炎症性皮膚疾患から、白癬・蜂窩織炎・ウイルス性疾患など感染症、皮膚筋炎や強皮症のような膠原病、生物学的製剤の選択肢が多様化している乾癬、水疱症など自己免疫疾患、新規治療の開発が続いているメラノーマやリンフォーマといった悪性腫瘍、薬剤副作用としての薬疹、専門性の高い脱毛症、さらには美容皮膚科といった多彩な疾患に対して、多岐にわたる疾患や治療手技を扱うことも特徴である。

 浜松医科大学医学部附属病院皮膚科研修プログラムでは、こうしたcommon diseaseから特殊な疾患まで、皮膚疾患に関する診療を幅広く、しかも深みをもって研修することを主眼とする。皮膚科専門医取得は本プログラムの一つの大きな目的であるが、本プログラムを通じ、探究心をもって生涯にわたって最新の医学を学習し続ける習慣、患者さんへの真摯な態度、多職種との良好なコミュニケーションを通じたチーム医療を身につけることが、本プログラムの最大の目的となる。

 

2.研修内容

 研修目標は外来および病棟診療を通じて、皮膚症状の適切な把握、診断、検査、治療に関する基本的知識と基本的手技を学び、皮膚科医師としての社会的責任、態度を身につけることである。大学病院では指導医の下、主に難治性、重症な入院患者の診療にあたる。
 当科は特にアトピー性皮膚炎、その他皮膚アレルギー疾患、乾癬、皮膚リンフォーマ、メラノーマ、脱毛症、薬疹などの診療、研究を得意としている。
 皮膚科は外来診療のウエイトも大きいことから、外来診療の補助も行い、後の関連病院での研修に備える。関連病院ではさらに多岐にわたる一般的疾患の経験を通して、その知識、技術をより確かなものとする。浜松医大皮膚科の専門外来として、アトピー性皮膚炎外来、乾癬外来、脱毛症外来、皮膚リンフォーマ外来を設けており、外来患者数は一日平均90名にのぼり、豊富な経験を積むことが可能である。また、入院患者は悪性黒色腫や皮膚リンパ腫、汗腺疾患、円形脱毛症など様々な疾患について積極的な治療を行っている。指導医との連携を強め、多様な研究結果を創出している。また多数の臨床治験を行い、将来の皮膚科診療の発展に寄与している。
 また、年に数回の学会・研究会での症例報告が義務づけられる。基礎的知識として皮膚病理学、皮膚免疫学の基礎を学んでいく。さらに学会でのプレゼンテーション方法、論文執筆方法についても指導を受ける。
 研修終了後はより専門的内容を身につけ、日本専門医機構認定皮膚科専門医を取得する。専門医取得後はさらに後進の指導に当たるとともに自己研鑽に励む。

 

3.浜松医科大学医学部附属病院皮膚科研修プログラム






 

 現在、浜松医科大学医学部附属病院皮膚科研修プログラムの連携施設は県内16病院、県外16病院、相乗りしている他の研修プログラムは6病院あり、40名以上の医師が勤務している。また本プログラムの連携施設に含まれない浜松医大皮膚科の関連病院が8病院ある。静岡県の総合病院の多くが本プログラムに参加しており、基本的に全県下の研修施設が同じ学会、医会、勉強会といった組織で専攻医教育を行っている。前期研修医を終えた医師が本プログラムに進む場合、浜松医大皮膚科学教室に所属(入局)し、そこから各病院に専攻医として派遣するのが通常のシステムである。また他プログラムに所属している後期研修医が相乗りの形で本プログラムに一定期間所属することもある。この浜松医大出向型の専攻医が多いが、個々の理由によりそれ以外のコースを希望した場合には、相談に応じている。いずれの場合であっても、皮膚科専門医の審査資格要件となっている1年以上は研修基幹施設(本プログラムでは浜松医大附属病院)に勤務することになる。

 こうした修練を通じて、皮膚科研修5年間で、速やかに専門医を取得できるようにバックアップしている。出産や育児、家庭の事情、体調不良などにより一時的にプログラムを休止する場合にも、緊急時における医局内での協力体制の構築や、学内の復帰支援センターとの綿密な連携などを通して、対象者に全面的なサポートを行なっている。また、臨床研究や基礎研究に携わることを補助し、オリジナリティのあるメッセージを世界に発信していく土壌も提供する。
 研修終了後は、個々に進路が異なる。また大学院進学の場合は、進学と整合性が合うよう考慮する。それぞれの将来設計に応じて個別の相談に応じている。



4.専攻医プログラムの参加施設 

 2018年度より、日本専門医機構による専門研修プログラムが施行されている。静岡県を中心とする本プログラムでは、県内の主立った病院が「研修施設群」を構成する。この施設群には、プログラムの中心となる一つの「研修基幹施設」と、参加する複数の「研修連携施設」及び「研修準連携施設」がある。本プログラムの研修基幹施設は浜松医大皮膚科であり、研修連携施設として県内16病院が参加する。概ね西から、(1)聖隷三方原病院 (2)浜松医療センター (3)聖隷浜松病院 (4)JA静岡厚生連 遠州病院* (5)磐田市立総合病院 (6)中東遠総合医療センター (7)島田市立総合医療センター (8)藤枝市立総合病院 (9)静岡市立静岡病院 (10)静岡県立総合病院 (11)静岡済生会総合病院 (12)静岡市立清水病院 (13) 富士宮市立病院 (14)富士市立中央病院 (15)沼津市立病院 (16)静岡医療センター、以上が研修連携施設(研修準連携施設*)となる。また、京都大学医学部附属病院皮膚科、杏林大学医学部付属病院皮膚科、横浜市立大学附属病院皮膚科、東京女子医科大学病院皮膚科、近畿大学病院皮膚科の各プログラムと相乗りしている。
 

    




5.その他の業務内容など

(1) 兼業
  週2回程度、高齢者施設の入院患者の皮膚疾患に対する回診、当直業務から開始する。また一般病院での
 皮膚科外来も非常勤医師として担当する。

(2) 研究への関わり
  大学病院研修中は皮膚組織を検体とした免疫組織化学染色などや、末梢血や皮膚組織から得られた細胞の
 フローサイトメトリー解析等を行う。臨床研究にも携わり、その後基礎研究のテーマを考えていく。研究は
 盛んであり、主な対象疾患としては、アトピー性皮膚炎、皮膚リンフォーマ、乾癬、光アレルギー、薬疹、
 脱毛症、汗腺疾患がある。

(3) 学位
  大学院、もしくは論文提出による学位を取得することが可能である、社会人大学院制度もある。

 

6.専門医制度や大学院との関連

(1) 資格取得状況
  現在、機構認定皮膚科専門医を取得するためには、皮膚科専門医の指導のもと論文、学会発表、講習会出
 席からなる単位を所定以上取得した上で、筆記試験、面接試験に合格しなければならない。なお単位を取得
 するためには、日本皮膚科学会に所属する必要がある。専門医受験資格として1年以上の主研修施設(本プ
 ログラムでは浜松医大医学部附属病院)での研修が必要である。機構認定皮膚科専門医を取得後、日本皮膚
 科学会のさらなる特別分野の専門医として、「日本皮膚科学会認定皮膚悪性腫瘍指導専門医」と「日本皮膚
 科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医」が平成19年から設定されている。これによりさらなる専門性
 を身につけることが可能である。

(2) 指導状況
  皮膚科専門医を育てるために、当科では皮膚科専門医である指導医のもと医師としての社会性、皮膚科
 学、皮膚病理学、皮膚免疫学などを教育している。貴重な症例などは今後の医療の発展のため、学会・論文
 発表を積極的に行わせており、指導医がその内容をチェックした後、さらなる上級医にてチェックが行われ
 る。専門医取得に必要が講習会参加も計画的に行えるよう、環境を整えている。

(3) 大学での後期研修のメリット
  浜松医大皮膚科は、静岡県内東中西部に隈無く広がる23の病院に常勤医を派遣しており、静岡県内の皮膚
 科診療を広く継続的に維持している。従って、基幹病院で無理なく有意義で継続的な研修をするためには入
 局していただくことが円滑な方法である。なお現時点では、当科の関連施設において当科医局と関係なく、
 皮膚科常勤医師として研修をする状況ではない。関連病院に所属しながら皮膚科学研究を行い、学位の取得
 をめざせるよう社会人大学院への所属も歓迎している。大学では経験豊かな多様性のある指導医がおり、豊
 富な臨床知識、基礎医学、専門知識が得られる施設である。将来を見据えて大学と浜松医大皮膚科関連病院
 の連携でじっくりと基礎から学ぶことをお勧めする。

 

プログラム責任者

  プログラム責任者:本田哲也

事務連絡先

  事務連絡先:伊藤泰介     

mail:itoutai●hama-med.ac.jp (●を@に変換して送信してください)
TEL :053-435-2303
FAX :053-435-2368