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博士号・専門医の指導体制

医学博士号、病理専門医取得のためのプログラム(腫瘍病理学講座)

静岡県病理専門医研修ネットワークプログラム PDF

  詳しくはこちらから。

(初版)

本学および他学の医学部卒業生について (通常の場合)

 研修2年目の後半を病院病理部ないし、関連病院の病理部で研修をしたうえで、大学院の試験(後期)をうける。期間は4年から6年まで可能で、病理解剖40例、英文学術誌への論文(主著者)1で病理専門医、医学博士号が最短卒後6年で取得可能である。実際には病理専門医試験のために論文は複数必要になる。また、死体解剖資格はより少ない例数で取得可能である。病理学会には研修2年目からはいってもよいかと思う。
 研修内容であるが、研修の最後のコースで病理医として実際の修練をはじめることができる。これは長年特別のことがなく行われているスタイルで、つまり症例をかさねれば当然一定レベルに達する。sign outは病理部長でも指導教員でもよい。解剖は近年減っているので、関連病院の症例もやるといいかと思う。
 この間できれば、症例報告など、病理論文の作成方法や免疫染色、電顕などを学ぶのもよい。もちろんいわゆる一流誌は定期的に目をとおしてほしい。がん治療学会の西山理事長のスライドによると、まいにち200編の論文に目を通す必要があるとのことらしいが、まあ出来る範囲でやっておくように。
 大学院入学は社会人大学院生という行き方もあるので、関連病院の後期研修医として1,2年病理の実務、症例の収集などを行うやりかたをすすめる。関連病院のほうが症例数が多く、手をつけられていない検索すべき例が蓄積している場合が多い。実務に関連した集会としては静岡県病理医会、中部交見会(日本病理学会中部支部)などの発表経験、pathology internationalへの英文論文の報告などを習作するとよい。この期間週1回と週末などは、大学に来て、実験をしている先輩たちにいろいろ教わることをすすめる。とくに、臨床から来ている教室員はむしろそういう時間のほうがactiveだったりする。大学院中盤から後半は、国内留学(国立がん研究センター、東京大学先端技術科学研究センター、東京医科歯科大学、がん研究会研究所病理部、などが実績としてある。) 病理診断の場合だと、虎ノ門病院、癌研付属病院があり得るが、がんの病理診断はむしろ浜松近辺のほうが、指導医などが充実している。国内留学中はその関連ないし関東の施設でバイトをする方法がある。一方引き続き、学内で研究をおこない、地域医療のバイトで生活をたてる方法、関連病院の職員になりながら、学位を取る方法などがある。とくに浜松医大の卒業生は、できるだけ外部の施設で修練をして、浜医の常識は世界の非常識 などということにならないようにしておきたい。教室の方針として、国外留学をすすめている。そのタイミング、業績、grant、家族構成などを考慮して対応する。英語でcommunicationをする能力を日頃からつけておかないと、いつ何時チャンス?が来るかも知れない。7 years in Tibetという本があるが、密接にキャリアパスに本教室がコミットしていくのが7年くらいである。もちろんその後もいろいろな形でめんどうをみることが可能である 。

医学部卒業生について (通常ではない場合)

すでに博士号(PhD equivalent)を持っていて研究好きで、研究職を希望する場合
 病理医として初期トレ兼バイトをおこなって、業績をあげていくことを進める。病理学のほうが、全国的には大学などでポストは豊富。それは実務ができるという条件がかかることが多いため。
 MDということだけで、研究をして生きていきたい場合、業績に対する要求度、留学歴などの国際性などややハードルが高いが、口はあるにはある。しかし、常勤職の場合は病理実務もそのうちやってよとか病理の教育はやってくれなどといわれることが普通である。地方の基礎医学講座はどこも人材が少なく、とくにMDはちやほやされるが、病理や法医では実務が、解剖では実習が、そのほかでも教育はさけられない。生化、生理、感染症など九州大学の中山教授のhomepageが有名なので参照されると良い。賢明な諸君はよくわかっているように、自分のやりたいことをやりたいようにできるかという問題は世界のどこでもそうやさしくはない。

ただ年をとったスタートである場合
 病理学はmatureな学問であるという見方もあり、体力勝負でがんがん実験をする(そういうヒトももちろん大歓迎で、現在の病理スタッフはみんなそうであるが)ことが無理でもやれるという見方もある。また、年をとっても研究ができてうらやましいと言われたこともある。ふつうの大学院生のように最初に専念して学位と専門医をとるのが早い。生活もあるというひとも、社会人大学院生ならば、なんとかなるであろう。

家庭に一時的にはいる(女性男性を問わず)キャリアーの場合

  •  【専門医】
     病理は最初の6-7年をすぎると、極言すれば在宅で業務が可能な分野ではある。いまはcloudでvirtual slideでtrainingができるが、それで食っていくのなら2年はなんとかつくってほしい。

  •  【学位】
     学位があることも、このようなキャリアーのひとに向いた職(産業、行政、教育)につくチャンスがふえる。いわゆる水物をしない研究課題はbioinformatics, molecular epidemiology, morphological pathologyはあるにはあるが、英語力や書こうという意欲がなによりも大切である。

看護学科修士修了生について

 臨床看護学のなかの遺伝看護学に関して(佐藤直美准教授)は、smoking behaviorのgeneticsなどについて指導を引き受けている。おおくは看護師として勤務しながらであろうが、英語、統計解析、アンケート調査、遺伝子解析についての理解が必要である。遺伝看護では日本ではフロンティアでもあるので、種々の機会がある。詳細は佐藤直美准教授と打ち合わせをしてほしい。

非医学科修士修了生について

 生命理工科学など実験系の場合は、修士課程から当教室で研究が可能である。英語力の鍛錬に力をいれてほしい。中国語もいいかもしれない。
 TOEICなど種々の検定試験の受講料を補助することがある。飲み屋でおごるよりは有意義であろう。また、各種班会議、学会など全国あるいは世界の研究者、あるいは企業人とのcommunication能力、粘り強さも要求される。

臨床医の場合

学位
 本学臨床各科からの大学院生の指導については実績がある。本学臨床医局と縁がない場合(あるいは縁がきれた場合)も学位指導を行うが、一定量の時間を研究にさいてもらう必要がある。経験的には週3日くらいはつかわないと学位論文ができないのではと思う。大学院生(社会人大学院生)・研究生いずれも可能である。最近はbioinformaticsなどかならずしもラボにあらわれなくても研究はできるので、そういう技量があるひとについては相談にのる。

病理専門医
 病理学会あるいは病理のcommunityは臨床経験のある医師がそのキャリアーの途中で病理を専門にやりたいという気持ちになった場合、非常に歓迎かつencouragingである。(深山正久 現日本病理学会理事長もそうである)前述のように専門医取得のための症例数からいうと関連病院ではじめたほうが早い場合がある。またその上で、病理学分野で研究をしていきたい(どっかに助教くらいのポストがないかなどというのも含めて)というものにも全国に大きなネットワークを持っているので相談に応じる。

その他
 学位も持っているが臨床の実務がきつくなってきたといったような理由でも応じる。そういう場合は病理医への転向をまずすすめるが(上記参照)、病理かぎらずがんの研究をしたいなどという場合、バイトをしながら共同研究をするというヒトも受け入れる。そういう場合は教室員としてのduty(組織のsampling, journal clubや研究のprogress meeting, 液体窒素充填、掃除当番など)はやってもらう。そういう場合も他の若い研究者への手前があるので、どんどん論文を発表し(そのための費用などはもちろん教室でもつ)ていただきたい。ただ、いつまでもモラトリアムでは大変じゃないかと思うが。。。。

企業人の場合

 2名の実績がある。ひとりはbioinformaticsの専門知識を生かし、ラボに滞在する時間が少なくても成果をあげてくれた。研究生として来る場合は上司の理解が大切で、産学連携などの提案を歓迎する。1名の実績と、製品の上市という成果を得ている。