University Introduction
大学を取り巻く環境は、いま大きな転換期を迎えています。少子高齢化のさらなる進行、地域における医師不足や診療科偏在への対応、医療DXの推進、生成AIをはじめとする先端技術への対応など、医療・医学教育を巡る課題はますます複雑化しています。加えて、新興感染症の出現や南海トラフ地震への備えなど、地域医療を支える大学として果たすべき役割は一層大きくなっています。
そのような中、浜松医科大学は、「優れた医療人を育成し、独創性のある研究成果を世界に発信し、地域医療の中核的役割を担う」という建学の理念のもと、教育・研究・診療・地域連携のさらなる充実を図り、社会課題の解決に取り組んでまいります。
医療者の使命は、目の前の患者さんに最善の医療を提供することにとどまりません。新たな医療を創出し、未来の医療を切り拓いていくこともまた重要な使命です。本学は、産学官連携をさらに強化し、世界の患者さんの医療に貢献できる人材育成と研究・医療体制の整備を進めてまいります。
教育においては、社会から真に求められる医師・看護師の育成を原点とし、患者さん一人ひとりの価値観や背景、多様性を理解し、多職種と協働しながら、患者さんの意思を尊重した最善の医療を実践できる医療人の育成を目指しています。昨年、Times Higher Education日本大学ランキングの「教育リソース」分野において、本学は国内第2位という高い評価を受けました。今後も教育環境のさらなる充実を図るとともに、海外臨床実習や国際交流を推進し、豊かな人間性と国際感覚を備えた医療人を育成してまいります。
研究においては、国立大学の中でも早期探索的臨床試験にいち早く取り組み、豊富な実績と経験を積み重ねてきました。この基盤と光医学やイメージング技術という本学の強みを活かし、基礎研究の成果を迅速に臨床へと橋渡しする体制をさらに強化します。また、2025年度に設置したヘルスインフォマティクスセンターを中心として、リアルワールドデータを含む医療データを有効活用し、浜松発の医療イノベーション創出を推進します。さらに、今年度設置した研究推進・URAセンターを核として、研究戦略の立案・推進支援を強化し、若手研究者が創造的かつ挑戦的な研究に専念できる環境整備を進め、本学の研究力向上につなげてまいります。
診療においては、医療DXを附属病院の重要な柱と位置づけています。厚生労働省による電子カルテ情報共有サービスモデル事業への参画などを通じて、効率的で質の高い医療提供体制を構築し、地域医療機関との連携強化と医療の均てん化を推進します。また、2025年度に設置した地域診療教育システム開発センターを中核として、総合的診療能力を有する医師の育成を進めるとともに、自治体や地域医療連携推進法人と連携し、静岡県における医師少数地域や診療科偏在といった課題解決に取り組んでまいります。
地域連携については、2025年度に本学医学部と静岡大学情報学部・工学部、本学光医学総合研究所と静岡大学電子工学研究所との間で締結した部局間包括協定を基盤として、教育・研究機能の強化を進めています。さらに、この連携を発展さる形で締結した静岡市および浜松市との協定を通じ、地域課題の解決や地域社会の発展に貢献してまいります。また、2025年度より医学科1 年次生を対象に開講した防災士養成講座を通じて、災害時に即応できる医療人材を育成し、地域社会の防災力向上にも取り組んでいます。
さらに昨年度は、ダイバーシティ・社会貢献担当副学長のもとにダイバーシティ推進室を新設しました。医師トータルサポートセンターとも連携し、多様性を尊重し、公正性と包摂性を大切にしながら、すべての教職員が能力を最大限に発揮できる環境づくりを推進してまいります。
浜松医科大学は、これまで積み重ねてきた取組を確かな成果へと結びつけ、地域と世界に貢献し続ける大学でありたいと考えています。教職員一丸となって、未来の医療と社会を支える大学づくりに邁進してまいります。今後とも、皆様の温かいご支援とご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
学 長 渡 邉 裕 司
(WATANABE Hiroshi)
大学の関連ページ