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胎児の肺胞を満たしている肺液(肺水)の吸収遅延により引き起こされる、多呼吸を主な症状とする呼吸障害です。
肺液(肺水)は、産道通過時の胸郭圧迫による気道からの排出、呼吸開始後の肺胞周囲間質への移動とリンパ管、毛細血管からの吸収によって肺胞からなくなります。この肺液(肺水)の排泄、吸収の遅延がおこると呼吸窮迫症状を呈します。 骨盤位分娩、胎児新生児仮死、陣痛発来前に行なわれた帝王切開、早期産、低タンパク血症、多血などが誘因となります。
出生直後から多呼吸を認めることが多く、呼吸数は1分間に80~120回程になります。呼吸障害は多くが24時間以内に良くなりますが、数日持続する場合もあります。通常は利尿がつけば呼吸状態が安定化します。
通常は保育器に収容して酸素投与を行うことで症状が改善しますが、高濃度の酸素投与が必要な場合は、nasal CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行ったり、人工呼吸器管理を行います。