教育

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薬理学講座

教授 大久保 洋平

ナノ薬理学の創出DSC_0013_lt2.jpg

薬理学は、分子(薬物)と生体の相互作用を理解することで、薬物治療の基盤を築く学問です。薬理学における研究アプローチのなかでも重要な位置を占めるのが、「時間的・空間的な動き=ダイナミクス」の解析です。リガンドと受容体の結合といった分子レベルから全身を巡る薬物動態まで、あらゆる階層での「ダイナミクス」を捉えることが、薬理学の根幹を成すと言えます。

私たちの研究室では、タンパク質1分子の動きをナノメートルの精度で可視化することで、「ダイナミクス」に迫ります。独自に開発した蛍光標識技術と顕微鏡システムを駆使し、厚みのある生体組織、たとえば脳スライスやオルガノイドにおいて、個々のタンパク質分子の動きをリアルタイムで追跡することに成功しました。

この技術により、薬物の作用を1分子の挙動から評価したり、病態のごく初期に生じる1分子レベルの変化を見出したりすることが可能になると期待されます。

このような研究に興味のある方へ:分野・経験は問いません。生物に興味がある方、物理や工学の素養を活かしたい方、医学的な課題を基礎から解き明かしたい方。ぜひ一緒に挑戦しましょう。