教育

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臨床腫瘍学講座

当院は国の指定するがん診療連携拠点病院です。各診療科と連携し、心疾患、糖尿病などの併存疾患をもつがん患者さんの治療にも対応しております。治療前の臓器機能を中心とした体調を適切に評価し、治療薬の特性に応じた薬物動態等を推測することで、効果を最大化し、リスクを最小化することが可能です。
昨今は分子標的治療薬が汎用されるようになってきました。その副作用として、従来の抗がん剤で起こる吐き気、下痢、白血球減少などだけではなく、血栓・塞栓症、高血糖、間質性肺炎、腸炎、肝機能障害、自己免疫性疾患類似の病態など多彩なものがみられるようになってきました。そのため、安全に抗がん剤治療を実施し、最大の効果を得るためには、がん治療認定医、がん薬物療法専門医、緩和医療専門医、がん化学療法認定看護師、がん専門薬剤師等に加えて、多彩な副作用に対して最適な対処をすることが可能な各診療科専門医の知識と経験が必要です。当院では、それらのすべてを兼ね備えており、患者さん一人一人に最適な治療と管理を提案することが可能です。標準的な治療がこれ以上ないという診断をされた患者さんに対しても、既存薬の使い方の変更やゲノム診断により効果があると考えられる治療薬(保険適用外)の紹介、最適な緩和治療等により、新たな治療法を提案できる可能性があります。