【研究成果】表情・声・視線からAIが双極症抑うつエピソードとうつ病を判別 ―睡眠などの臨床情報も統合し、診断を支援する新技術の実用化へ―
2026年09月14日
表情・声・視線からAIが
双極症抑うつエピソードとうつ病を判別
―睡眠などの臨床情報も統合し、診断を支援する新技術の実用化へ―
本学精神医学講座の山末英典教授らの研究グループは、株式会社I'mbesideyouの神谷渉三CEO、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学の加藤忠史教授らと共同し、動画解析技術、音響解析技術とAI(人工知能)解析技術を組み合わせ、双極症抑うつエピソードとうつ病の判別、および躁症状・うつ症状の程度の予測を試みました。
その結果、表情、発話の特徴、視線などを定量化した情報に、睡眠や併存する診断などの臨床情報を組み合わせてAIで解析することにより、現在抑うつエピソードにある研究参加者について、双極症抑うつエピソードとうつ病を79%の正確度(Accuracy)*1、75%のAUC(Area Under the Curve:判別性能を示す指標)*2で判別することができました。また、同様の技術を用いることで、躁症状やうつ症状の程度についても一定の精度で予測することができました。
今回の研究では、精神科診療において経験的に重視されてきた患者さんの表情、話し方、視線、睡眠などの特徴が、AIによる客観的・定量的な解析においても、双極症抑うつエピソードとうつ病を判別するための重要な情報となることが示されました。これまでに報告された同種の研究と比べて大規模な研究参加者を対象とし、表情、発話、視線、睡眠など複数の情報を初めて統合して解析した点が本研究の大きな特徴で、これまでに報告されている研究と比較して良好な判別性能が得られました。
研究グループでは、医療機器として承認を受け、将来的に医療現場で実用化することを目指して、今回の研究成果を活用した診断補助プログラム医療機器の開発を進めています。
本研究の成果は、日本精神神経学会の英文機関誌でPsychiatry(精神科)分野においてトップ10%ジャーナルの「Psychiatry and Clinical Neurosciences」に日本時間2026年9月11日午後9時に公表されました。
*1 正確度(Accuracy):すべての予測データの中で、正しく予測できた割合(正解率)を意味します。測定した値や予測した値が「真の値(正しい値)」にどれくらい近いかを反映する目安となります。
*2 AUC:Area Under the Curveの略語で、機械学習の分類モデルが正解と不正解を判別する性能を示す目安とされています。
論文情報
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論文タイトル: |
Differentiation between Bipolar versus Unipolar Depression by AI-Based |
| DOI: | doi/10.1111/pcn.70124 |
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