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【研究成果】ヒト乳歯歯髄幹細胞 (SHED) を用いた新たな腫瘍溶解性ウイルス(OV)療法の開発~悪性神経膠腫モデルでのSHED-OVの有効性を実証~

2026年09月01日

ヒト乳歯歯髄幹細胞 (SHED) を用いた新たな腫瘍溶解性ウイルス(OV)療法の開発~悪性神経膠腫モデルでのSHED-OVの有効性を実証~

 本学脳神経外科学講座の貴田 覚医師(筆頭著者)、小泉慎一郎特任准教授、黒住和彦教授、同微生物学・免疫学講座の伊藤昌彦助教、鈴木哲朗特任教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域 脳神経外科の大谷理浩研究准教授、米国Brigham and Women's Hospital/Harvard Medical School 脳神経外科のHiroshi Nakashima博士、Balveen Kaur教授(現:米国Louisiana State University Health New Orleans[LSU Health New Orleans]脳神経外科)らの研究グループは、株式会社S-Quatreから提供されたヒト乳歯歯髄幹細胞(SHED)*1に腫瘍溶解性ウイルス(OV)*2を搭載する新しい治療法「SHED-OV療法」を開発し、悪性神経膠腫モデルにおける治療効果を世界で初めて実証しました。

 本研究により、SHEDをベクターとしたウイルス治療が悪性神経膠腫に対する新しい治療戦略となり得る可能性が示されました。

 これらの成果が評価され、本研究結果は遺伝子細胞治療分野の国際的な専門誌であるCancer Gene Therapyに掲載されました。


*1 ヒト乳歯歯髄幹細胞 (Stem cells from human exfoliated deciduous teeth: SHED):自然に抜け落ちる乳歯の歯髄組織から採取される幹細胞です。採取が非侵襲的であることに加え、増殖能や分化能を有し、さまざまな組織へ分化する可能性があることから、再生医療や遺伝子細胞治療への応用が期待されています。
*2 腫瘍溶解性ウイルス (Oncolytic virus: OV):がん細胞のみに選択的に感染し、増殖しながらがん細胞を破壊する性質を持つウイルスです。遺伝子改変により、正常な細胞では増殖できず、腫瘍細胞の中でのみ増殖するため、悪性腫瘍を標的とした治療が可能です。直接的な腫瘍破壊作用と、抗腫瘍免疫の活性化による間接的な抗腫瘍作用の両面から効果を発揮する治療技術として期待されています。腫瘍溶解性ウイルスの基盤としては、単純ヘルペスウイルス、アデノウイルス、レオウイルスなどが利用されており、これらを遺伝子改変することで治療用ウイルスが開発されています。現在、日本国内でもすでに臨床応用が進んでいる技術です。

論文情報

論文タイトル:

Potential for enhanced oncolytic HSV-1 therapy via SHED as a vehicle
against malignant gliomas

DOI: 10.1038/s41417-026-01072-1

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