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日本生殖医学会誌「Reproductive Medicine and Biology」に研究成果が公表されました

2026年03月30日

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2-3)に対するタラポルフィンナトリウムを用いた光線力学的療法(PDT)の第II相試験で100%の寛解率を確認
~子宮頸部を温存し、将来の妊娠・出産リスクを上昇させない新たな治療選択肢~

 

本学医学部附属病院産科婦人科講師の村上浩雄、坂本優(現・佐々木研究所附属杏雲堂病院顧問/婦人科、東京慈恵会医科大学産婦人科学講座 客員教授)、金山尚裕(本学名誉教授)らの研究グループは、多施設共同の第II相臨床試験(医師主導治験)において、子宮頸部上皮内腫瘍*1(CIN2-3)に対するタラポルフィンナトリウム*2および半導体レーザを用いた光線力学的療法(PDT)*3の有効性と安全性を明らかにしました。本試験では、治療を受けた77名全員(100%)で完全寛解(CIN2-3を認めない状態)が確認されました 。また、重篤な副作用は認められず、治療後の妊娠・出産において早産の発生はありませんでした 。本治療法は、子宮を温存し、将来の妊娠を希望する女性にとって、手術(円錐切除術*4)に代わる有望な選択肢となることが期待されます。

 本研究成果は、日本生殖医学会誌「Reproductive Medicine and Biology」に日本時間2025年11月30日に公表されました(オンライン版は2026年1月公開済)。

*1 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN): 子宮頸がんの前がん病変。進行度によりCIN1(軽度)、CIN2(中等度)、CIN3(高度・上皮内がん)に分類される。
*2 タラポルフィンナトリウム: 日本で開発された第2世代の光感受性物質。従来の薬剤に比べて光線過敏症の期間が短い(約2週間)という特徴がある。
*3 光線力学的療法(PDT): 光に反応する薬剤(光感受性物質)とレーザ光の光化学反応によって発生する活性酸素で、病変組織を選択的に破壊する治療法。
*4 円錐切除術: 子宮頸部を円錐状に切除する手術。CIN3の標準治療だが、子宮頸管が短くなることで早産リスクが増加する。

論文情報

論文タイトル:

A Multicenter Phase II Study on Photodynamic Therapy Using Talaporfin
Sodium (ME2906) and a Semiconductor Laser (PNL6405CIN) for Intraepithelial
Tumors of the Cervix

DOI: 10.1002/rmb2.70001

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