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国際学術誌「Immunity, Inflammation and Disease」に研究成果が公表されました

2025年06月10日

「皮膚、かいちゃダメ」は本当だった!
--ナノスーツ-電子顕微鏡法がとらえた
水いぼウイルスと皮膚バリアの攻防

 本学医学部医学科6年の坂野有梨および同大学ナノスーツ開発研究分野の河崎秀陽分野長は、浜松医科大学で開発されたナノスーツ-CLEM法という最先端の電子顕微鏡技術を用いて、水いぼの原因ウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)を、通常の病理検査で使われる皮膚組織標本上で高精度に可視化することに成功しました。水いぼは子どもの5〜10%が罹患する一般的なウイルス性皮膚感染症で、アトピー性皮膚炎や湿疹のある子どもでは感染リスクがさらに高まることが知られています。本研究により、皮膚の最外層である角質層がウイルスから体を守るバリアとして機能している様子が可視化され、そのバリアが破綻するとウイルスが皮膚内部に侵入しやすくなることが明らかになりました。これは、感染メカニズムの視覚的証拠として、世界的にも初めての成果といえます。

 この研究成果は、Wiley社の国際学術誌「Immunity, Inflammation and Disease」オンライン版にて、2025年6月3日に公開されました。

論文情報

論文タイトル:

Visualization of Molluscum Contagiosum Virus in FFPE Skin Sections Using NanoSuit-CLEM: Ultrastructural Evidence of Viral Spread via Skin Barrier Disruption
DOI: 10.1002/iid3.70212

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