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米国がん免疫療法学会誌「Journal for ImmunoTherapy of Cancer」に研究成果が公表されました

2023年07月31日

プレドニゾロン6週間漸減法:
免疫関連肺臓炎に対する世界初の臨床試験

 本学医学部附属病院腫瘍センター柄山正人講師、放射線診断学講座五島聡教授、内科学第二講座 須田隆文教授らの研究グループは、本学附属病院を含む静岡県内の15の研究協力施設において、免疫関連肺臓炎(immune-related pneumonitis: irP)の治療に関する世界初の臨床試験を実施しました。
 irPは免疫チェックポイント阻害剤の治療においてしばしば発症し、時に重篤な経過をたどる重大な副作用です。irPの治療を検討した前向きの臨床試験は存在しないため、臨床現場においては経験的にステロイド治療が行われ、その投与量や投与期間は定まっていません。
 本研究では、56例の免疫チェックポイント阻害剤の治療後にirPを発症したがん患者に対し、プレドニゾロン1mg/kg/日を6週間で漸減する(段階的に減薬していく)治療法の有効性と安全性が検討されました。主要評価項目である治療開始6週間後(=プレドニゾロン投与終了時)のirPの改善率は91%で、計画した期待値を達成しました。プレドニゾロン投与に伴うgrade 3以上の有害事象は17.9%に見られましたが、いずれも制御可能で、治療に伴う死亡は認めませんでした。
 本研究の成果から、6週間プレドニゾロン漸減法は、irPの治療オプションとなることが期待されます。

 この研究成果は、米国がん免疫療法学会誌である「Journal for ImmunoTherapy of Cancer」に7月27日に公表されました。



論文情報

論文タイトル:

Six-week oral prednisolone therapy for immune-related pneumonitis: a single-arm phase II study
DOI: 10.1136/jitc-2023-007056

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