米国消化器病学会誌「The American Journal of Gastroenterology」に研究成果が公表されました
2023年03月30日
認知症高齢者の慢性便秘が排便習慣の確立(Bowel training)と排便を促進する効果的な排便姿勢により改善することを実証
本学臨床看護学講座の内藤智義助教らの研究グループは、介護施設に入所する認知症高齢者を対象に、排便習慣の確立(Bowel training)と排便を促進する効果的な排便姿勢を組み合わせた排便ケア(介入群)と水分・食事摂取の促しや下剤管理など一般的なケア(対照群)とを比較することで、慢性便秘と関連する問題を改善するか検証しました。慢性便秘は、介護施設に入所している認知症高齢者によくみられ、興奮・徘徊・暴言など認知症の行動・心理症状(BPSD)を引き起こし、介護者に多大な負担を与える可能性があります。
検証の結果、排便習慣の確立と排便を促進する効果的な排便姿勢は、参加者の排便習慣を最適化させることで、排便状態を有意に改善しました。さらに認知症の行動・心理症状の改善や介護者の負担軽減にも効果があることが示されました。この非薬理的介入より認知症高齢者の慢性便秘改善や介護者の排便ケア技術の発展に役立つことが期待されます。
この研究成果は、米国消化器病学会誌「The American Journal of Gastroenterology」に日本時間3月2日に公表されました。
論文情報
論文タイトル: |
Effects of bowel training and defecation posture on chronic constipation in older adults with dementia: A randomized controlled trial. |
DOI: | 10.14309/ajg.0000000000001986 |
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