教育

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老年看護学

教授 鈴木 みずえ

わが国は世界一の長寿国であり、2025年には国民の4人に1人が後期高齢者になると予測されています。仕事や社会貢献、趣味などで活躍し自立している高齢者も増加していきますが、年齢が高くなるほど、加齢現象に加えて認知症等の様々な健康障害によって容易に介護を要する状態になります。今後、ますます重要性が高まる高齢者とその家族を支える老年看護は、高齢者の多様性を理解しなければなりません。長い時間をかけて積み重ねてきた生活、培われた信念は個別的で一律ではありません。また、疾病による身体状況も加齢現象が影響し複雑で治癒を望めない事も多く、その人らしく人生を締めくくるという重要な課題をかかえています。その多様性を理解し、高齢者とその家族を支える看護のあり方を探求しています。

学部では、高齢者の多様性をどのように理解して高齢者と家族を支える看護の基本を講義・演習・実習を通して学んでいます。

大学院では、高齢社会の諸現象および多様な状況にある高齢者と家族に関する問題を理解するために、関連領域における幅広く、且つ専門的な知識を習得します。そして、老年看護学の質の向上に寄与する研究課題を追求し、基本的な研究能力と、得られた知見を看護実践、教育、研究に活用できる能力の育成を目指します。

また、老人看護専門看護師等の高齢者看護のスペシャリストを養成する、高度看護実践コース(老年看護学)を、令和3年4月から開設する予定です。高齢者とその家族がよりよく過ごし健康長寿を延伸させることや、最期までよりよく生きることを支援することが、高齢者看護の目標です。専門的な高齢者看護実践は、高齢者施設や地域だけでなく、病院においても看護の質や、高齢者のQOL向上につながります。高齢者看護の質向上に向けて、多くの看護職が本コースで学修し、それぞれの実践の場で活躍されることを期待しています。