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米国の国際学術誌「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」に研究成果が公表されました

2022年05月17日

女性ホルモンは乾癬を抑制する
―エストラジオールによる抗皮膚炎症作用―

 本学皮膚科学講座の本田哲也教授(研究当時:京都大学講師)、東京都立墨東病院の足立晃正医師(研究当時:京都大学助教)、京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授らの研究グループは、女性ホルモンの一種であるエストラジオールが、好中球やマクロファージ注1などの免疫細胞の活性化を制御し、乾癬において抑制作用を発揮していることを動物モデルで突き止めました。
乾癬は、全世界で1%ほどが罹患しているとされる慢性炎症性皮膚疾患です。これまで、女性は男性にくらべて乾癬の罹患率・重症度が低いことが報告されていました。しかし、その機序は不明でした。本研究では女性ホルモンに着目し、マウスの乾癬モデルを用いてその機序を検討しました。エストラジオールの産生ができないマウスでは皮膚炎症は増悪し、逆にエストラジオールの補充は皮膚炎症の増悪を抑えました。エストラジオールは好中球やマクロファージなどの免疫細胞に作用し、これらの細胞の活性化を抑え、皮膚炎症を抑制していることが明らかとなりました。本研究により、女性ホルモンが皮膚の健康に寄与する新たなメカニズムが解明されました。今後、女性ホルモンに着目した新たな乾癬治療法の開発が期待されます。


 この研究成果は米国の国際学術誌「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」に5月16日にオンライン掲載されました。

論文情報

論文タイトル:

Estradiol suppresses psoriatic inflammation in mice by regulating neutrophil and macrophage functions
DOI: 10.1016/j.jaci.2022.03.028

>> 詳細はこちら(プレスリリース本文)PDF