研究活動
- 筋線維芽細胞のcharacterization
炎症および線維化の過程で出現する筋線維芽細胞は臓器の線維化(肺線維症、肝硬変など)において、非常に重要な役割を果たしているが、その実態は明らかでないことが多い。FACSを用いて筋線維芽細胞を純化する方法を開発し、筋線維芽細胞の性格を明らかにする研究を行っています。
- GFP-MCMV(マウスサイトメガロウイルス)による発育期マウス脳における感染動態の解析
非神経細胞とは異なる神経細胞特異的なe1-pro活性化機構がMCMVの神経病原性に関わると推測されており、e1-pro-EGFP を組み込んだMCMVを作製し、発育期大脳及び培養神経細胞における実際のウイルス感染で神経細胞と非神経細胞におけるe1-pro活性の発現を検討する。
- 細胞の分化に伴うクロマチン再構成とMCMVの感染感受性
CMV感染におけるウイルスゲノムのクロマチン修飾が感染感受性にとって重要な機序といわれており、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の量と相関しているともいわれている。大脳におけるMCMV急性感染でのHDAC局在とCMV感染細胞の局在を比較し、神経系におけるHDAC阻害剤のCMV感染感受性への影響を検討する。
- 人のCMV感染剖検例による間質性肺炎の成立機序に関する研究
間質性肺炎の原因のひとつとしてウイルス性肺炎があり、その中ではCMV肺炎が最も頻度が高い。CMV肺炎がどのような機序で病変を形成するか十分に明らかになっていない。CMV高度感染を示す病理解剖例についてCMV肺炎における感染細胞の細胞特異性および間質線維化のメカニズムについて、免疫組織学的、分子生物学的手法を用いて検討する。
- 人の潰瘍性大腸炎、クローン病の長期間追跡による臨床的と病理的比較解析
潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病など炎症性腸疾患の症例について、市内専門病院と共同で20年以上に渡って生検および手術材料による追跡を行ってきた。UCおよびクローン症例の多数例の臨床的、病理的所見をデータベース化した。臨床および病理所見の長期に渡る経過の対比を解析し、発症年齢、性差、高齢化との関連、病理像、感染所見との関連を検討する。