教育

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研究内容

脳神経内科

 脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経から筋肉までの多様な疾患を内科的に診断、治療する診療科です。したがって内科のひとつの専門診療科であるとともに、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、精神科、整形外科、リハビリテーション科をはじめとする全ての診療科とも常に連携しています。

 これまで脳神経内科領域の疾患は「原因が分からない、診断が難しい、治らない」といわれてきました。しかし、最近10年の研究の進歩は、多くの疾患の原因、病態の解明を飛躍的に押し進め、より迅速で的確な診断を可能にし、治療法の開発を進めてきました。とはいうものの、依然として神経難病の治療や療養では多くの問題が残されています。これからの10年は脳神経内科の診療・研究に携わる多くの施設が共同して、より大規模な臨床研究を促進し、細胞レベルでの病態の解明とともに治療法の確立を成し遂げることが期待されています。

 高齢化社会の到来に伴って、脳血管障害、認知症、全身疾患に伴った神経疾患の増加が見込まれ、脳神経内科医の社会的な需要はますます増加することが予想されます。さらに、神経系にとどまらず全身を診ることができ、全身の管理を行えることが今後は一層要求されて来ると考えられ、内科としての素養がますます必要となると思います。

 浜松医科大学の脳神経内科は、第一内科診療群に属しており、内科疾患に伴う神経症状、神経疾患に強いことが特徴です。勿論、神経難病をはじめとする神経疾患の解明、克服を目指して研究を進めることに力を入れています。
 そして、患者さんのために最善の医療を提供できる脳神経内科医の育成を第一に考えています。志を同じくする学生諸君を大いに歓迎致します。

※研究内容やその他脳神経内科についての詳細は、当講座の下記ウェブサイトをご参照ください。

神経内科研究業績

腎臓内科

 腎臓内科は、消化器内科、脳神経内科とともに第一内科として6階西病棟(52床)で入院患者の管理をしています。

 入院の多くは、

  1. 腎炎、ネフローゼ症候群
  2. 水電解質酸塩基平衡異常
  3. 慢性腎不全(透析を含む)

にかかわる患者さん達です。

 毎週火曜日に腎臓カンファレンスを行い、木曜日に腎生検、内シャント造設術を行っています。

 浜松医科大学腎臓内科は、「患者の人格を尊重し、最高・最良の診療を行う」という基本理念のもと、患者一人一人に対して病態を追求し、最も適した治療を行うことを心がけています。開学以来、熱意を持った多くの腎臓内科医が当教室より静岡県を中心に輩出されています。

 当教室は、静岡県に多くの関連病院を持ち、特に浜松市および、その周辺の総合病院にはネットワークが構築されています。症例検討会や若手医師のための勉強会などを定期的に開催し、最先端の知見の共有や実践を目指しています。

 近年では、慢性腎臓病(CKD)対策に関する啓蒙活動や浜松市における「かかりつけ医」との病診連携の促進への取り組みなど、CKD対策や診療の推進に力を注いでいる全国でも有数な教室です。

 以上のような浜松医科大学関連の腎臓内科ネットワークの中心として大学では患者本位の診療はもとより、研修医の教育と研究にも力を入れています。当科にローテートしてくる研修医の先生方は、指導医のもと患者さまの抱える問題点の整理や病態の把握・治療ができるように日々切磋琢磨しています。

 研究においては、急性腎不全の診断学、病態生理、再生医療、腎レニンアンギオテンシンアルドステロン系、糸球体腎炎におけるTGF-β;の解析を中心に行われており、毎年、国際学会や国際誌に数多くの研究報告をしています。

※研究内容やその他腎臓内科についての詳細は、当講座の下記ウェブサイトをご参照ください。

腎臓内科研究業績

消化器内科

 浜松医科大学第一内科・消化器グループは、消化管並びに胆嚢・膵臓を含めた広く消化器疾患を対象に、診療・教育・研究を行っています。消化器疾患(消化器病)は、胃十二指腸潰瘍や逆流性食道炎、胆石胆嚢炎などの良性疾患に始まり、癌をはじめとする悪性病変や炎症性腸疾患を主体とする難治性疾患まで、その対象は極めてバラエティに富みます。H2ブロッカーの創出は、潰瘍の治療の主体が外科から内科へと移る大きな転機を作り、これはノーベル賞の授与に結びつきました。同様に、ヘリコバクターピロリ菌の同定と、同菌のもたらす潰瘍や胃癌への関わりの解明はノーベル賞として顕彰される大きなインパクトを有するものでした。これは、多くの人々が、これらの消化器疾患に患い、或は戦ってきたことの証でもあります。消化管内視鏡の進歩は、この領域の診断のみならず、治療の分野においても極めて大きな発展につながりました。癌は21世紀の現代においても、克服すべき最大の疾患群であり、その予防を含めた診断及び治療は、消化器医の果たすべき役割の大きな部を占めます。炎症性腸疾患は、その若年発症と治療抵抗性から、診療の大きな進歩が期待される領域ですが、過去数年間の生物学的製剤(分子標的治療)の進歩は、治療戦略を大きく変える共に、将来の治療成績の改善を更に期待させるものです。当科では世界に先駆けて、潰瘍治療に対する遺伝子多型に沿ったテーラーメード治療を確立させ、これは厚生労働省が認めた先進的医療として始まっています。癌の治療では、より少ない副作用とより高いレベルの治療成績の向上を目指した治療レジュメ(処方プロトコール)の開発を行って来ました。また、癌の早期発見を目指した様々な新規検査法の研究開発も行っています。難治疾患としての炎症性腸疾患に対する、新たな治療法の開発治験にも積極的に取組んでいます。

 浜松医科大学第一内科・消化器グループは、大学病院での診療のみならず、同門(医局)として県内外の病院・医療機関に多くの消化器医師を送り出しています。大学は、若い医師の教育・養成機関であり、様々な技能を次の世代に伝え、良き医師、良き内科医、良き消化器専門医を育てる為の様々な努力を行っています。過去30 年余の医局の歴史においては、延べ100名を超す消化器医師を輩出し、開業医師も含め、多くが現役の消化器専門医として各方面で活躍をしています。

 我々のグループでは、常に新しい医局員を求めています。若い医師の皆さんで消化器を専門として学びたい、或は、消化器を含めた広い範囲での内科医師の基本を身につけたいという希望のある方は、是非我々の門を叩いて下さい。医局は、関連病院を含め、様々な教育のツールを有しています。大学病院は近隣病院に無い新しい診断ツールを備えています、医局カンファランスは議論を深め、困難を解決に導く大きな力です。関連病院では、多くの同門出身指導者の元で、様々な症例に多数あたる事で、医師としての技量を大きく延ばす教育が行われています。医局は、個々の若手医師のニーズと能力に合った教育プログラムを支度します。医師が育つ為には、単に技能の向上のみならず、様々な思考プロセスの修得や問題解決の技法を学ぶ事が必要です。医局には、多くの医師が集い、「良き医師を目指す」という大きな目標のもとに、皆が様々なレベルで研鑽を重ねています。また単に専門医の免状の取得のみを目指す事にとどまらず、新たな診断や治療に結び付く科学・医療の発展に貢献すべく、研究を行う事も、医師としての奥の深さを増すことに繋がります。希望者には、研究の機会、指導、サポートが与えられます。学位(博士号)の取得は、一つの達成ではありますが、留学や後進の指導、学部・大学院を含めた教育への関与も、更なるステップです。当科では、若い医師が、生き生きと仕事をしています。将来への希望と高い目標を持って、皆が集っています。元気あふれる若人が多く当教室に加わり、共に新しい医学・医療を創造する活動に参加して下さることを願っています。

 医局同門内外の皆さんのご鞭撻と、ご支援を頂き、当科診療、研究、教育は発展を遂げて参りました。今後も変わらぬご指導を宜しくお願い申し上げます。

※研究内容やその他消化器内科についての詳細は、当講座の下記ウェブサイトをご参照ください。

消化器内科研究業績