大学紹介

University Introduction

生体機能イメージング分野

教授 尾内 康臣

尾内 康臣

分子イメージングという考えが、ミクロ的な視点から、生きたヒトの生体組織内活動を画像化するという概念で捉えられるようになったのは、PETを始めとするヒトへの生体機能測定技術の革新があったからです。PET技術は1970年代よりヒトに応用されていますので特に新規なものではありませんが、分子イメージングとしては学問の歴史は浅く、これから発展する分野です。浜松は光技術で世界をリードしているため、まずはPETによる光技術応用を本講座の柱として、その基礎、応用などの教育を行い、PET技術に精通する人材を育てていきたいと思います。臨床研究応用では、脳疾患、癌、心臓疾患が病気の三大疾患であるため、分子イメージング技術をこれら疾患の病態解明に役立てる必要があります。ただ、本研究分野では、その中でも特に社会的急務の諸問題(認知症の問題、急増する子どもの問題、精神・神経疾患の問題)に重点的に研究します。対象はヒトですが、動物イメージング研究部門との連携で、動物モデルを使った病態PET研究も視野にいれた相補的研究ができるような体制を特徴づけたいと思います。それから、PETに加え、fMRI、光CTなども駆使して総合的な分子イメージング法も取り入れたいと思います。本部門での人材育成は、核医学技術を習得するだけでなく、PET学から始まる光技術の学問を、医学・薬学・工学・物理学という視点から学んでいきます。そのためにも様々な分野の専門家との連携が重要です。PET技術の習得が最終ゴールではなく、光技術という道具を使って未知なる問題にチャレンジして、ヒトの健康・平和の実現に向けた研究をしなければなりません。そのためには、単に医師だけの集団でなく医薬工物理学、心理や哲学的の知識を有する研究者にも広く教育・研究の場をゆだねて多分野のヒトと交流することを心がけます。この生体機能イメージング研究室が研究・教育の両面から国内外に発信できる成果をあげられるように皆さまと頑張っていきたいと思います。