「Respiratory Investigation」に研究成果が公表されました
2024年11月11日
便秘は間質性肺炎の死亡リスク
特発性間質性肺炎(IIP)は、進行性の肺線維化を来す原因不明の難治性疾患で、治療反応性や進行速度の異なる様々なフェノタイプで構成されており、生命予後は患者ごとに大きく異なります。近年、慢性便秘症は、生活の質(QoL)に影響するcommon diseaseとしてのみならず、心疾患や腎疾患などの様々な慢性疾患の予後因子として注目されていますが、IIPにおける意義は明らかではありませんでした。
本学医学部附属病院腫瘍センター 柄山正人講師、内科学第二講座 田熊翔医師(大学院生)、須田隆文教授(研究当時、現:理事・副学長)らの研究グループは、当院のIIP患者の433名の診療録データを、周辺構造モデル(MSM)という統計手法を用いてレトロスペクティブに解析し、便秘症が独立した死亡リスク因子であることを同定しました。本研究によって、IIPの新たな死亡リスク因子として便秘の重要性が示されました。また今後は便秘への治療介入による、特発性間質性肺炎の予後の改善を目指した新たな治療戦略への展開が期待されます。
本研究成果は「Respiratory Investigation」に10月29日に公表されました。
論文情報
論文タイトル: |
Association of constipation with the survival of patients with idiopathic interstitial pneumonias |
DOI: | 10.1186/s12890-024-03284-3 |
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