米国臨床腫瘍学会誌「JCO Precision Oncology」に研究成果が公表されました
2024年05月08日
希少ながん遺伝子変異「BRAF Thr599dup変異」の機能を解明
本学内科学第二講座の渡邉裕文医師(大学院生)、井上裕介助教、須田隆文教授(研究当時、現:理事・副学長)らの研究チームは、包括的がんゲノムプロファイリング検査で肺癌検体より同定された希少ながん遺伝子変異の一つである BRAF Thr599dup 変異が、代表的な BRAF 遺伝子変異である BRAF V600E 変異と同等の強力なドライバー遺伝子変異であり、単量体で細胞内シグナル伝達経路の一つである MAPK 経路を恒常的に活性化すること、および BRAF に対する分子標的薬であるダブラフェニブに高い感受性を示すことを明らかにしました。
本研究成果により、BRAF Thr599dup 変異を有するがんに対して分子標的療法が推奨されるとともに、包括的がんゲノムプロファイリング検査の有用性が確認されたことから、本検査のさらなる普及およびその結果に基づいたがん精密治療のさらなる推進が期待されます。
この研究成果は、米国臨床腫瘍学会誌の一つである「JCO Precision Oncology」に日本時間 4月25日に公表されました。
論文情報
論文タイトル:
Characterization of BRAF Thr599dup mutation as a targetable driver mutation identified in lung adenocarcinoma by comprehensive genomic profiling
DOI:
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