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日本発生生物学会誌「Development, Growth & Differentiation」に研究成果が公表されました

2023年07月27日

Reticulitermes speratus(ヤマトシロアリ)の
カーストや加齢に特徴的な脳の形態と行動についての発見

 本学細胞分子解剖学講座 瀬藤光利教授と京都大学を中心とする共同研究チームは、Reticulitermes speratus(ヤマトシロアリ)の生殖分業や加齢によって脳の形態や行動に違いがあることを初めて明らかにしました。
 今回、光学顕微鏡とマイクロCT(コンピュータ断層撮影)による形態観察、およびシロアリの行動解析から、カースト(階級)や加齢に特徴的な脳の形態と行動ついて調べました。
 今回の研究の結果は、社会性昆虫のカースト間ならびに加齢過程における形態および行動の変化を理解するのに貢献します。寿命と生殖分業との間で関連性があることは既に示されていましたが、寿命と脳の大きさとも関連性があることが明らかになったことで、脳科学の観点から長寿研究にアプローチする展開が期待されます。また、加齢によってみられる縮小脳領域を同定したことから、その脳領域に着目した分子生物学的解析が進むことで、加齢分子メカニズムの解明が期待されます。

 この研究成果は、日本発生生物学会誌「Development, Growth & Differentiation」に6月25日に公表されました。


論文情報

論文タイトル:

Plastic brain structure changes associated with the division of labor and aging in termites
DOI: 10.1111/dgd.12873

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