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国際的科学誌「Journal of Controlled Release」に研究成果が公表されました

2023年07月14日

分子イメージング技術により
Nose-to-Brain送達技術の評価法を確立

 中枢神経系疾患におけるアンメットメディカルニーズは非常に高く、その治療薬開発は多くの製薬企業における重点注力領域となっています。しかしながら、血液脳関門(Blood Brain Barrier)の存在により静脈内投与された薬物の脳への移行や脳内標的部位への到達が難しく、開発が困難になる薬物もあります。そのため、この問題を克服する薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)が医薬品開発の現場では求められています。
 今回、本学光尖端医学教育研究センター、金沢大学、株式会社新日本科学との共同研究により、血液脳関門を通過しにくく、静脈注射では脳へ移行しにくいモデル薬物について、N2B-system(新日本科学が新たに開発したDDS)を使ってカニクイザルの嗅部選択的に投与した時の脳内移行性を、PETを用いた分子イメージング法により示すことが出来ました。
 今回の研究成果により、N2B-systemを用いて、血液脳関門透過性の低い薬物を脳内へ効率的に送達させ、その量を定量的に評価可能であることが示されました。今後は、分子化合物のみならず、中分子化合物であるペプチド医薬や核酸医薬を用いた脳神経疾患の治療につながることが期待されます。

 この研究成果は、国際的科学誌「Journal of Controlled Release」に日本時間6月16日に公表されました。



論文情報

論文タイトル:

Effective nose-to-brain drug delivery using a combination system targeting the olfactory region in monkeys
URL: https://doi.org/10.1016/j.jconrel.2023.06.005

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