教育

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研究内容

 浜松医科大学放射線腫瘍学講座では、高精度放射線治療の治療成績の解析や新たな治療法の開発など、放射線治療の進歩のための様々な研究をおこなっています。
 また、2021年度末に、先端医療センターが稼働し、放射線治療部門は、大部分の機能を先端医療センターに移し、多くの最先端の機器が導入されました。それらを使っての臨床研究も開始しています。

臨床研究

  • 前立腺癌強度変調放射線治療(IMRT)の治療成績解析

平成31年度より、AMED「局所限局性前立腺癌中リスク症例に対する陽子線治療の多施設共同臨床試験と局所限局性前立腺癌に対する強度変調放射線治療の多施設前向き観察研究」(研究代表者 筑波大学 櫻井 英幸教授)の研究分担者として、多施設前向き観察研究を行っています。1000例規模で症例集積し、前立腺癌放射線治療の本邦の治療成績を明らかとし、粒子線治療などの他のモダリティの治療成績と比較する予定です。

  • 前立腺癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)および画像誘導放射線治療(IGRT)を使った寡分割照射法の研究

高精度放射線治療を使って前立腺癌の外部照射の回数を少なくする方法(寡分割照射法)が有効かどうかを全国約20施設と共同してPhase II臨床試験を実施しています。

  • JCOG放射線治療グループ

JCOG放射線治療グループに2018年より加わり、子宮頸癌術後の強度変調放射線治療(JCOG1402)、肺癌に対する体幹部定位放射線治療(JCOG1408)に参加しています。

  • 粒子線治療に関する研究

平成29年度より、AMED「新たな根治的粒子線治療を実現する吸収性スペーサーの適応拡大と実用化研究」(研究代表者:神戸大学 佐々木良平教授)の研究分担者として、粒子線治療の照射法の研究を行っています。

また、重粒子線治療多施設共同臨床研究組織(J-CROS)運営委員会泌尿器腫瘍分科会委員、重粒子線治療多施設共同臨床研究組織(J-CROS)評価委員会委員、九州国際重粒子線がん治療センター重粒子線がん治療泌尿器腫瘍検討班班員として、泌尿器領域の粒子線治療研究に関与しています。

  • 人工知能を使った予後予測法の開発

平成29年度より、厚労省科学研究費補助金臨床研究棟ICT基盤構築・人工知能実装研究事業「ビッグデータからの機械学習による前立腺癌小線源療法の予後予測法の開発と均てん化への応用」(研究代表者:中村和正)の研究代表者として、AIによる放射線治療の予後予測法の研究開発を行っています。

  • 日本における前立腺癌に対するヨウ素125密封小線源永久挿入療法に関する前向きコホート研究(J-POPS)

J-POPS研究に参加し、分担研究として密封小線源療法の実態、施設差などを研究しています。

  • 放射線治療の施設差などの実態調査、国際比較

平成26-28年度に厚労省科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「がん診療科データベースとJapanese National Cancer Database(JNCDB)の運用と他がん登録との連携」(研究代表者:手島昭樹先生)に研究分担者として参加しました。

現在は、韓国の研究者と共同して、日本の放射線治療施設の国際比較を行っています。

高精度放射線治療機器開発

産学連携の一環として、企業と協力し、以下のような機器開発を行っています。

  • 呼吸同期装置の開発
  • 体幹部定位放射線治療の固定法・固定器具の開発
  • 固定精度向上のための放射線治療用マウスピース開発
  • 注射漏出検出装置の開発