教育

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研究活動

pen 研究業績(年次報告) 個人別業績リストは構成員紹介ページでリンクしております。

ラット成体脳におけるBMP及びBMP関連タンパク質の発現に関する研究 (三河)

BMP(骨形成因子)は、もともとは骨以外の組織から異所性に骨組織を発生させる因子として名前の付けられたタンパク質であるが、現在は細胞の分化や増殖・アポトーシス・細胞骨格と運動など様々な機能の制御を行っていることが知られるようになった。発生学の分野においては、初期胚の背腹軸形成や初期の神経誘導にBMPとそのアンタゴニストであるnogginchordinが重要な役割を演じていることは有名である。しかしその一方で、成体におけるこれらのタンパク質の重要性は述べられてはこなかった。 我々は、成体ラット脳組織を用いて、種々のBMP及びBMP関連タンパク質の発現について、主にその分布の解析を目的に研究を進めてきた。その過程において、我々は、BMPが成体脳でも広く発現していることを証明してきた。このことは、BMP及びBMP関連タンパク質には発達期とは異なる重要な働きが存在していることを示すものである。現在、さらにこれらの分子について解析を進めている。

新規神経軸索ガイダンス分子Netrin-5の機能解明(山岸)

2015年に見出した新規神経軸索ガイダンス因子Netrin-5は、神経新生関連領域に強い発現が見られる(Yamagishi et al., Front Cell Neurosci, 2015)。したがって、Netrin-5ノックアウトマウスを用いて、神経新生に関連しているかどうかを検証する。

骨形成因子(BMP)阻害因子によるアストロサイト移動制御機構(山岸)

発生過程において、アストロサイトはニューロジェネシス終了後、脳室下帯のラディアルグリアから分裂によって発生し、大脳皮質内に分布することが知られている。アストロサイトには神経細胞や他のグリア細胞を栄養するだけでなく、血液脳関門を形成する重要な役割もある。一方で、脳損傷時には脳室下帯で分裂を開始し、速やかに損傷部へと移行することが最近、報告された。これらアストログリア細胞は適材適所へと移動する際、様々な外的因子によって制御されていると考えられるが、その実態は良く分かっていない。 我々はこのような因子の1つとしてBMP阻害因子の可能性を見出した為、詳細に検証する。

腹部大動脈瘤をはじめとする血管疾患メカニズム解明(佐々木)

腹部大動脈瘤(AAA)の破裂は非常に高い死亡率に達する重篤な疾患であるが、その形成・進展から破裂までの機序は未だに多くが不明であり、治療法に関しても、外科的治療法以外は殆ど確立されていない状況である。また、動脈瘤形成の基盤になるとも考えられている動脈硬化症に関してもいまだに不明な部分が多い。本テーマの最終的な目標は、このAAAや動脈硬化症の形成機序を解明し、その治療法を確立させることであり、それに対して組織学的、分子細胞生物学的、薬理学的な手法を用いて研究を行っている。

組織学的な解析手法の開発・改変(佐々木)

医学や生命科学の分野において、組織学的な解析は必須といっても過言でない重要な解析手法である。我々は、この解析手法、特に免疫染色の手法におけるいくつかの問題点を見つけ出し、それらに対する解決策や予防的な手技を考案し発表することを目的としている。

解剖学教育における教育方法の工夫・改善(佐々木)

医学部や歯学部における解剖学教育、特に肉眼解剖実習は必修あり、近年はコメディカルと言われる医療従事者を目指す学生に対しても解剖実習見学が盛んに行なわれている。当該講座においては、これらの実習において学生の理解がより深まるような教材の作製、実習方法に工夫や改善に取り組んでおり、 その成果発表も行なっている。