国際英文誌「Emerging Microbes & Infections」に研究成果が公表されました
2022年12月13日
COVID-19患者の
臨床像や死亡率、死亡リスク因子の推移を明らかに
~我が国のビックデータ(ナショナルデータベース)を用いた
大規模疫学調査~
本学内科学第二講座の宮下晃一医師、穗積宏尚特任助教、須田隆文教授らの研究チームは、レセプト情報・特定健診等情報データベース(National Data Base, NDB)を用いた大規模調査により、パンデミック初期からデルタ株流行期までの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床像や死亡率、死亡リスク因子の推移をはじめて明らかにしました。
今回、パンデミック初期からデルタ株流行期に診断された成人COVID-19患者約94万人の匿名化医療データを解析したところ、デルタ株流行期において、COVID-19患者はそれ以前の流行期と比較して若年化し、死亡率が大きく低下していたことがわかりました。特に、死亡率の低下は65歳以上で顕著で、また、高齢や男性、悪性腫瘍、腎疾患、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、片麻痺、転移性固形癌などの併存症を有することが死亡リスク上昇と関連することを明らかにしました。
本研究の結果は、COVID-19の疫学理解や施策への活用が期待されます。また、本手法は、オミクロン株流行期以降の継続的な大規模疫学調査にも活用できます。
この研究成果は、国際英文誌「Emerging Microbes & Infections」に日本時間12月5日に公表されました。
論文情報
論文タイトル: |
Changes in the Characteristics and Outcomes of COVID-19 Patients from the Early Pandemic to the Delta Variant Epidemic: A Nationwide Population-based Study |
DOI: | 10.1080/22221751.2022.2155250 |
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