スイスMDPI社の国際学術誌「Biomedicines」オンライン版に研究成果が公表されました
2022年02月15日
〜卓上電子顕微鏡を用いた新型コロナウイルスの高感度抗原検査〜 「withコロナ」社会の負担を減らし国民の安心を促進する新検査技術の実証実験
本学は、浜松市、(株)日立社会情報サービス、NanoSuit(株)、浜松医療センターの協力、(株)タウンズとの共同研究のもと、既存のイムノクロマトグラフィ(抗原検査)キットに対し新検査法を開発し、新型コロナウイルスの高感度化検証実験を実施しました。
新型コロナ感染をはじめとして、多くの感染症において感染爆発時の社会的・経済的な負担は膨大なものになります。簡便かつ迅速性がある抗原定性検査は、世界的にも広く活用され、社会の大きな安心につながっています。しかし現行の抗原定性検査の感度は、PCRの感度に比べて劣るとされ、世界中でPCR検査が優先されてしまう傾向にあります。ところがPCR検査は、検査時間が長く、コストが高く、検査に要する技術者不足という問題とともに、遺伝子増幅による高感度化によって感染陽性判定と感染性の齟齬が生じるという懸念があります。社会の経済活動継続と感染抑制の両立を図ることのできる適切な検査法が求められています。
本学は、卓上SEMとナノスーツ法を組みあわせ、新型コロナウイルス患者検体と通常の市販イムノクロマトグラフィキットを検査資材として用いることで、PCRの問題を克服し、PCRに匹敵する高感度の結果を引き出せることを確証しました。
この研究成果はスイスMDPI社の国際学術誌「Biomedicines」オンライン版に、2月15日に公表されました。
論文情報
論文タイトル: |
Highly sensitive and quantitative diagnosis of SARS-CoV-2 using a gold/platinum particle-based lateral flow assay and a desktop scanning electron microscope |
大学の関連ページ
関連ページ