教育

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研究概要

 生殖補助医療で誕生する子供が年間4万人を超える現在(2017年)、生殖補助医療 による妊娠では各種周産期合併症が多いことが知られています。このような背景から生殖補助医療は今までのように単に妊娠率向上だけでなく、より安心安全な妊娠・出産を目標とする医療の提供が求められてきています。高齢出産が占める割合が多い現代社会において、生殖医療では必然的にハイリスク妊娠に向き合っていくことになります。しかしながら、生殖医療領域と周産期領域の情報共有や連携は充分とは言いがたい現状があると考えられます。
本講座は、医療法人社団 俵IVFクリニック(http://www.tawara-ivf.jp/)による寄附講座です。静岡県内、特に中・東部地域の生殖補助医療の中心を担う、俵IVFクリニックにて蓄積している膨大な臨床データを用いて、生殖と周産期をまたぐ新たな領域の基礎研究・臨床研究を行うとともに、生殖補助医療に関わるツールの開発などを行うことを目的とします。
 将来的には県内すべてのART施設と、その後の妊娠・分娩管理を行った周産期施設からのデータを集約し、県内各地の特長を解析することで、より安全な生殖補助医療を経た妊娠・出産を実現可能とするための指針をつくり、地域医療の質を向上させる方向性を示していきたいと考えています。
また、将来的には生殖医療領域において重要な役割を担う胚培養士の教育・資質向上へ 寄与することも目標としています。胚培養士の基本的な知識・技能習熟は勿論の事、胚培養 士の教育において、周産期医療分野の教育・学習は充分であるとは言い難い現状であるため、周産期医療の基礎・背景を理解した胚培養士の育成を目指します。
 このように、生殖周産期医学講座で検討・解明・研究された情報は、生殖周産期医療領域 において重要な役割を持と考えられます。