教育

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災害に強い地域づくりアンケート調査

はじめに

東海地震および原子力災害が発生した場合、医療処置を特に必要としない住民も心理的不安を強く抱くことがある。災害時の精神的被害の軽減を目的とするメンタルヘルス対策のためには、平常時から、個人や家族、地域での防災対策に取り組み、災害に対して備えておくことが大切である。特に専門家(行政等)と住民とのリスク・コミュニケーションが必要である。

目的

災害時のメンタルヘルス対策のために、平常時のリスク・コミュニケーションの効果的なあり方の検討を行う基礎資料として調査を行った。

方法

  • 調査対象・・・静岡市と浜松市に居住する20歳~69歳の男女3,500人
     住民基本台帳から対象年齢の男女を無作為抽出  有効回答1,726
  • 調査方法・・・郵送配布・郵送回収
  • 調査期間・・・2010年7月~8月

結果

(調査結果より)

信頼について

  • 行政が提供している日頃の防災情報、災害情報を「信頼している」は8割

リスクについて

  • 東海地震発生への「不安を感じている」は8割、「切迫していると思う」は7割
  • 東海地震発生後「恐怖、混乱、不安になるだろう」は各9割
  • 東海地震発生時の推定震度、被害予想について「知っている」は3~4割

減災対策=対処行動について

  • 各防災対策の現在の実施状況は、食料等の備蓄、持ち出し品の準備、連絡方法、耐震補強等の13項目については2~4割、携帯ラジオ等の準備と避難所の確認については7割
  • 防災対策を行うきっかけは、「テレビ」、「防災訓練」、「県・市・区の広報」、「新聞」の順で各3割以上
  • 地域や職場等で「防災活動に参加した」は4割、その内容は「防災訓練」が9割

住民の平常時の不安について

  • 現在の不安状況と、性格的な不安になりやすさは、各「高い」は2~3割前後

    *リスクの理解や防災対策の実施により、災害に対する心構えができて精神的な被害も最小化される。よって行政から住民に対しさらなる情報提供を行い、リスクや防災対策についての住民の理解と対策実施につなげる必要がある。



担当 原岡智子(2009年4月~2013年3月 特任助教)