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入局案内

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入局をお考えの皆様へ

人間は情報の約70%を視覚から得ていると言われています。眼科ではその重要な情報入力源である眼に関する疾患の診断・治療を行っています。
目が見えなくなったら死んだ方がましだ、という言葉をよく耳にします。実際に我々が診ている患者さんからも、そのようなお話を聞くことがあります。眼科医にとって患者さんの失明は他科での死に相当します。眼の死を防ぐため、死から救うための科が眼科です。

近年の眼科学の進歩は目覚ましいものがあります。白内障は15年前には眼を半周近く切開して水晶体全摘出を行って、術後には強い凸レンズをかけてもらっていましたが、患者さんにとってお世辞にも満足のいく状況とは言えませんでした。その後の機器や眼内レンズ等の進歩によって現在では3-4 mmの切開創から手術を行うことが可能になり、手術時間の大幅な短縮、術後炎症の軽減、早期の視力回復と、全く隔世の感があります。
もう一つ格段の進歩がみられたのは硝子体手術で、10年位前には治療不可能であった難治の網膜剥離や増殖性糖尿病網膜症、黄斑円孔といった疾患を治すことが可能になりました。この分野は現在もまだまだ急速に進歩しており、さらに治療可能となる疾患が増えることはまちがいないと思われます。

また、当教室の堀田教授の専門分野の一つである、遺伝子診断の近年の進歩によって、様々な遺伝性眼疾患の原因が明らかになりつつあり、今後の可能性に期待が膨らみます。

眼は全身の中で肉眼で直接、血管を見ることのできる器官です。様々な全身疾患の影響がダイレクトに反映され、それを自分の目で直接見ることができます。また、眼科の手術は全てがマイクロサージェリーで、椅子に座ったまま行います。

さあ、このように未来の明るい分野で、自分の目で眼底の血管を見てマイクロサージェリーをやってみたいと思う方、眼科の門を叩いてみませんか?
入局に関するご希望、ご相談はお気軽に下記までご連絡ください。

〒431-3192
浜松市東区半田山1丁目20番1号 浜松医科大学眼科学教室
TEL:053-435-2256 FAX:053-435-2372
(連絡先:医局長 浅井竜彦 asaitatu@hama-med.ac.jp

眼科選択コースのカリキュラム

研修医2年目(眼科選択コース)
眼科選択コース
一般研修目標

  1. 眼科医として必要な眼科の診断と治療の基本的知識及び技能を修得する。
  2. 一般的な眼疾患に対する基本的知識および診察技能を身につける。

研修行動目標と研修方法

  1. 眼科病棟および外来をローテイトする。
  2. 眼科の基本的処置、検査を修得する
  3. 主治医グループの一員となって入院患者の診察、治療に参加する。
  4. 本コースの定めるカンファレンス、抄読会に参加する。


患者さんの診察風景
患者さんの診察風景

手術助手により基本的な操作の研修
手術助手により基本的な操作の研修

豚眼を使っての手術練習
豚眼を使っての手術練習

研修目標

  1. 経験したほうがよい主要疾患
    屈折異常、調節異常、弱視、斜視、色覚異常
    結膜炎、涙嚢炎、涙液分泌不全、流涙症
    眼瞼下垂、睫毛内反症、睫毛乱生、麦粒腫、霰粒腫
    眼瞼炎、角膜炎、角膜混濁、角膜変性、強膜炎、視神経炎
    加齢性白内障
    虹彩炎、前房出血、ぶどう膜炎
    糖尿病網膜症、硝子体出血、加齢黄斑変性、高血圧性網膜症、網膜色素変性症
    網膜中心静脈(分枝)閉塞症、網膜中心動脈(分枝)閉塞症
    裂孔原性網膜剥離、中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑円孔、未熟児網膜症
    開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障、新生血管緑内障
    甲状腺眼症、眼窩壁骨折、眼外傷
  2. 研修すべき主な診断・検査法
    屈折・調節検査、視力測定
    細隙灯顕微鏡検査、眼圧測定、隅角検査
    視野検査、眼底検査
    色覚検査
    眼位検査、両眼視機能検査
    眼球突出度測定
    涙液分泌検査
    網膜電図、超音波検査
    角膜内皮写真撮影
    眼底写真撮影、螢光眼底撮影法
  3. 研修すべき主な治療法・手術
    点眼法、洗眼法、涙嚢洗浄、鼻涙管ブジー
    薬物注射 (点滴静注・結膜下注射・テノン嚢下注射・球後注射)
    睫毛電気分解
    角膜異物除去
    抜糸

    以下の手術の術式が理解でき、手術の助手が行える。
    (1)斜視手術
    (2)白内障手術: 超音波白内障手術、水晶体嚢外摘出術、水晶体嚢内摘出術、眼内レンズ挿入術
    (3)緑内障手術: 線維柱体切除術、線維柱体切開術
    (4)レーザー手術: 虹彩切開術、網膜光(レーザー)凝固術
    (5)その他の手術: 眼球摘出術

    以下の手術に必要な術前検査と器具の準備ができる。
    (1)白内障手術: 灌流吸引装置、超音波乳化吸引装置
    (2)網膜剥離手術: a. 強膜内陥術 b. 網膜冷凍凝固術
    (3)硝子体手術: 硝子体切除装置、眼内光凝固装置

    医療に関係する諸法規を活用して関係書類の作成が指導医の指導の基にできる。

スーパーローテーション後の入局について

1)プログラムの内容
当プログラムにおいては、ほぼすべての眼疾患に対応できる医師を育成するために、各専門分野の上級医師の指導と、バランスのとれたカリキュラム、特に小児眼科に強いことを特徴としている。主施設(浜松医科大学医学部附属病院)では、角結膜疾患、緑内障、白内障、網膜硝子体疾患、ぶどう膜炎、神経眼科疾患、弱視斜視等、あらゆる分野の紹介患者があり、眼科専門医が研修すべき、ほぼすべての手術を施行している。これに連携施設を加え、さらに幅広い疾患に対応可能な眼科専門医の育成を可能にしている。

研修目標:
<卒後3年目>
眼科病棟および外来のローテイト、主治医グループの一員となって入院患者の診察・治療、カンファレンス・抄読会への参加等により眼科医として必要な眼科の診断と治療の基本的知識及び技能を修得し、一般的な眼疾患に対する基本的知識および診察技能を身につける。ウエットラボという手術演習にも参加する。

<卒後4~5年>
専門医認定施設である関連病院へ出向し、医長の指導のもとに外来診療を行い一般的な眼科疾患の診断および治療技術を取得する。また、執刀医として単独で霰粒腫や翼状片手術等の外眼部手術が施行でき、医長の指導のもと、合併症のない白内障・緑内障手術を遂行できる技術を取得する。

<卒後5~6年>
外来を担当し、指導医との討論・カンファレンスを通してより高度な診断技術を取得する。また、執刀医として担当患者の白内障・緑内障・斜視などの手術を行い、助手として網膜剥離手術・硝子体手術などのより高度な内眼手術を習得する。

2)基本進路(個別の進路相談には応じる)
基本進路
*代表的プログラム(本人の希望・人数等により変更)
卒後3年:浜松医科大学病院と連携研修病院での研修(眼科専門医受験のための研修施設)
卒後4~5年:関連病院(専門医認定施設)への出向
卒後5~6年:浜松医科大学での研修

3)処遇
兼業:卒後3年目では関連病院での手術助手、4年目以後では加えて関連病院での外来診療

研究への関わり、学位等:眼科臨床研修中に臨床研究・症例研究により学会発表最低2回、筆頭著者として論文1篇の執筆を指導(専門医のため必須)

希望者は研修しながら基礎研究や臨床研究を行う。大学院入学により学位取得も可能である。主要なテーマとしては、難治性眼疾患の遺伝子診断、遺伝子治療に関する研究、画像診断を用いた眼球運動についての研究、オキュラーサーフェス疾患の病態と新しい治療法についての研究、網膜光障害、光感受性物質についての研究等がある。幅広い分野の研究が可能なことがひとつの特徴である。

4)6~7年以降の進路について
卒後6年を終了時点で専門医取得。その後関連病院へ医長あるいは医員として出向又は浜松医科大学眼科スタッフとして臨床・研究・教育に従事する。

H18現在卒後6~7年で勤務可能な関連病院は18施設。

<静岡県東部>富士宮市立病院

<静岡県中部>静岡厚生病院、榛原総合病院

<静岡県西部>掛川市立総合病院、御前崎総合病院、共立菊川病院、袋井市民病院、森町病院、磐田市立総合病院、浜松赤十字病院、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院、共立湖西総合病院、浜名病院、丸山病院、佐久間病院

<愛知県>成田記念病院、総合青山病院

うち卒後6~7年で医長クラスとして出向可能なのは11施設。

5)専門医制度や大学院との関連について

本後期研修プログラムでは卒後6年目を終了時点で日本眼科学会専門医を取得可能。現在までほぼ100%の取得状況。研修中の出向は、すべて専門医認定施設であるため、専門医受験資格は学内に残る場合と差はない。大学院入学者も眼科臨床研修を続ける場合は受験資格習得に差はない。

後期研修連絡先:佐藤美保 
(眼科医局)Tel :053-435-2256Fax:053-435-2372
mail:tomo-mcd@hama-med.ac.jp


プログラム責任者:教授 堀田喜裕