静岡リウマチネットワーク
 

2012年9月:理念<心をこめたチーム医療>〜リハビリテーション中伊豆温泉病院〜 

 当院は、昭和42年開設以来、脳血管、関節リウマチ(RA)疾患を中心にリハビリテーション医療を行っております。病院名のごとく、伊豆半島の中心、中伊豆(伊豆市)に位置し、豊富な温泉を利用したスパ・ホスピタルです。
 RA の治療は、2003年、生物製剤の登場により、早期に滑膜の炎症をおさえ、骨の破壊、変形を防止できるようになりました。しかし、生物製剤使用の約30%の患者様は、治療抵抗性といわれています。したがって、きめ細かくRAの疾患活動性を評価し、タイミングよく薬物療法、手術療法、リハビリテーション(以下リハ)を組み合わせて治療することが大切です。 
 当院では、1987年よりRA短期教育リハ入院を導入しました。現在も4週間、2週間の日程で早期リハによるADL機能の維持、関節の変形等の予防、さらにRAの理解を目的に講義が行われています。具体的には、毎日午前9時10分から、約1時間、多職種の職員(医師、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、ソーシャルワーカー(MSW)、薬剤師、栄養士等)が、患者様に多方面から、RAについて理解を深めて頂くために講義を行っています。終了後は、約40分間PTの指導のもとRA体操に参加します。はじめは、ハードで全部はこなすことができない患者様もみられますが、自分のペースで行っていただくうちに、教育入院終盤にはだいぶ慣れていくようです。また、退院後も自宅で継続できるようにRA体操のDVDを用意しています。午後は、温泉プールを利用した運動浴をPTが担当します。約30分週2回のペースで施行しています。同じく、退院後も自宅近くのプールで患者様個人が活用できるように、運動浴のテキストも用意しています。物理療法として、上肢に対して週2回のペースでパラフィン浴を施行しています。作業療法としては、手指の巧緻性を高めるため、千切り絵のお盆作りをグループ訓練として行っています。そのほか、PTによる個人評価、OTによるスプリント、自助具の作製も必要に応じて行われます。入院期間中、屋外訓練とリクレーションを兼ね、医師、看護師、PT、OT同行のもと、中伊豆という地の利を生かし、半日を利用して、病院車にて伊豆高原などを訪れます。
さらに、4週間の短期教育リハ入院を経験された患者様を対象に、翌年にRAの状態がどのように変化したかを再評価する目的で、2週間の再入院コースを設定しております。各グループ4名を定員とし、年間8〜10回施行しています。入院期間中は、血液検査、レントゲン検査等を行い前回入院時の検査所見と比較し、RAの進行、活動性を評価しています。また、リハとしては、RA体操、運動浴等のグループによる運動療法、PTによる握力、筋力、関節可動域の評価、OTによるスプリントなどの装具対応を行っています。そのほか、管理栄養士によるクイック調理実習も行われています。
このようにRAの患者様の個別評価を毎年施行することにより、患者様自身にRAの状態を把握していただき、QOL向上のための支援、そして、今後の治療に役立てていただきたいと考えております。
 今回は、当院の取り組みのひとつであるRA短期教育リハビリテーション入院を中心にお話しました。
今後も内科、整形外科、リハビリテーションスタッフにより、RA患者様のトータルマネージメントケアを提供していきたいと考えております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
               (文責 内科 安田勝彦)

JA静岡厚生連
リハビリテーション中伊豆温泉病院
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