はじめに 関節リウマチは手指をはじめとする関節を多発性に冒し、ついには身体 障害者に至る現代の代表的難病の一つです。現在、全国に約１００万人 程度の患者さんがいると推定されており、まれな疾患ではありません。 この疾患に冒された患者さんは日常生活動作に不自由を来すばかりでな く、さまざまな内臓障害により寿命も縮まります。近年、関節リウマチ 患者を取り巻く状況は改善しておりますが、まだまだどの病院にかかっ たらよいかわからない、どの科にかかったらよいかわからないなどの声 がよく聞かれます。医療の進んだ日本においてこのような悩みを持つ患 者さんが少なくないことは誠に残念であります。 関節リウマチの診断や治療は著しく進歩しています。新しい血液検査 法、MRIなどの画像検査法の普及に加え、メトトレキサートや生 物学的製剤などの積極的治療により、これまでは回復困難 で あった重症の患者さんの多くが仕事を継続し、日常生活も健康なときと ほとんど同様にできるようになりつつあります。それに伴って関節リウ マチに関する医学的情報は膨大となり、一人の医師の力では満足のいく 対応ができにくい状況が到来しています。 静岡県はリウマチ診療の専門家が都市部のみならず、郡部にも点在して おり、これをネットワーク化することによって、医師およびコメディカ ルの診療レベルを向上させ、患者さんにとって最高の医療を提供できる と考えています。

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