診療科案内

整形外科

科の責任者と概要

診療責任者 松山幸弘 教授

 整形外科学は運動器に起こるさまざまな障害を解決することを目的とした診療科で、障害された運動器の形態を矯正し、機能の維持と再生を果たします。浜松医科大学の整形外科では運動器の障害を膝関節疾患、スポーツ障害、脊椎疾患、股関節疾患、手・末梢神経疾患、肩関節疾患、腫瘍性疾患、関節リウマチ、小児の疾患、代謝性骨疾患にわけ、それぞれの患者さんのニーズに対応できるように専門外来制の診療を行っています。

診断・検査・治療について

脊椎外来

 脊椎外来では特に難治性脊椎脊髄疾患の治療を行っております。側弯症などの脊柱変形の手術に関しては、脊柱変形において世界で最も権威のある学会であるScoliosis Risearch Societyから成人側弯症治療研究を行う世界の15施設のひとつに認定され、国際的にもひけをとらない治療を行っております。また脊髄腫瘍、特に脊髄髄内腫瘍に関しては日本でも有数の手術症例数を誇り、東海地区のみならず全国各地から患者さんが訪れています。脊椎後縦靭帯骨化症治療においても、厚生省研究班のメンバーである松山教授を中心に治療を行っております。これらの難易度の高い手術をより安全に行うため、危険な手術では術中の脊髄モニタリング下に手術を行い、さらに日本に数台しかない術中移動型CTであるO-armとナビゲーションシステムを組み合わせ、高度な脊柱変形にも安全なアプローチを心がけています。それ以外にも、患者さんの多い脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、頚髄症に関しても専門知識を生かた診断、治療を行っております。

股関節外来

 股関節外来では、関節温存手術、人工股関節置換術、股関節鏡視下手術の3つの治療戦略をもとに、股関節痛に悩む患者さんの診療を行っています。関節温存手術は、変形性股関節症、臼蓋形成不全に対して寛骨臼回転骨切り術、キアリ骨盤骨切り術、転子間弯曲内反骨切り術、大腿骨頭壊死に対する大腿骨頭回転骨切り術などの手術に積極的に取り組んでいます。人工股関節手術は、手術創が小さく筋肉を温存するOCMというアプローチを用いた低侵襲手術を行っているため、翌日より歩行可能となります。股関節鏡視下手術は、以前は原因不明の股関節痛といわれた股関節唇損傷、FAI(femoroacetabular impingement)に対して、股関節唇部分切除術、股関節唇縫合術、鏡視下股関節形成術を行い、良好な成績をあげています。

膝関節外来・スポーツ外来

 膝関節疾患と下肢スポーツ傷害の治療を行っています。関節鏡手術を中心に前十字靭帯再建術、再生医学的治療としてマイクロフラクチャー法、骨軟骨移植術を、変形性関節症には関節鏡手術、高位脛骨骨切り術、高度先進的医療としてコンピューターナビゲーションによる人工膝関節置換術を行っています。

手の外科・末梢神経外来

 手を含む上肢の骨折、切断、指腱断裂、関節障害全般にわたって治療します。特に得意な分野は腕神経叢損傷を筆頭とする末梢神経障害で、神経移行術や神経移植術を行っています。また複合組織移植術や手指の再接着などの顕微鏡下手術も積極的に行っています。

肩関節外来

 いわゆる五十肩の治療から、若者のスポーツ傷害、骨折、脱臼、腱・靭帯損傷、反復性肩関節脱臼手術など肩関節に関わるすべての疾患の治療を行っています。関節造影、投球のビデオ撮影によるフォームチェック等も行い、障害の原因を探し、各病状に合わせた治療を行います。

腫瘍外来

 四肢に発生した腫瘍性病変の診断から治療まで行っています。骨軟部腫瘍は組織型、部位など多岐にわたるため、病理部、放射線科など他科との連携を行っています。 癌の骨転移に関しては生活の質を重視して、積極的に手術治療を行っています。

リウマチ外来

 関節破壊を進行させないために使用可能な場合には積極的にメトトレキサートの増量を行い、それでも効果不十分であれば生物学的製剤を導入してなるべく日常生活の質の低下を食い止める治療を行っています。既に関節の破壊と機能障害が進行した場合には人工関節置換術や関節形成術などの手術療法を行っています。最近では手指や足趾の変形矯正は、関節破壊の初期には前述の薬物療法によって炎症が鎮静化していれば靭帯バランスの調整や骨切りなどの処置で対応して元の関節を温存する治療方法も可能となっています。病診連携により他院で治療中の疾患コントロールが不良な方の治療相談や手術加療の相談(手術および術後定期検診を当院で行い普段の薬物療法は地元の医院で継続)も積極的に受け入れております。

小児整形外科外来

 小児整形外科外来では、小児の骨関節疾患を専門に取り扱っております。小児は心身ともに常に成長しつづけております。私たちは、病を患うお子さんに愛情をもって治療にあたっております。また療育の相談も適宜行っております。得意とする疾患は先天性股関節脱臼、先天性内反足、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、筋性斜頚、脳性麻痺・二分脊椎による運動機能障害、上肢・下肢の変形、骨系統疾患です。特に先天性股関節脱臼では、整復に難渋するお子様に対して大学と自宅またはご自宅の近くの病院で牽引を行う「地域連携ホームトラクション」を行っております。これにより、お子様だけでなくお母様にも負担の少ない治療が可能となります。また当外来では病気やけがで手足が変形したり、足の長さに違いが生じた患者さんに骨延長術による治療を行っております。創外固定という機械を体外に設置し、骨に対してゆっくり延長を行うことにより変形を矯正します。

骨粗鬆症外来

 薬物治療に依存せず、運動療法や食事療法など日々の生活の中で骨粗鬆症の予防をしていくことが大切であることを指導し、高齢者が健康で痛みのない生活を送れるよう支援することを目的にしています。特に骨粗鬆症の評価として、骨密度や骨代謝マーカーだけでなく、圧迫骨折による脊柱の変形の評価、ADLやQOLの評価を積極的に行い、治療や生活指導に活かしています。さらに骨粗鬆症だけではなく、代謝性骨疾患(骨軟化症、原発性上皮小体機能亢進症等)や骨系統疾患の診断や治療も積極的に行っています。

主な対象疾患

1.脊柱変形

先天性、思春期、成人各々で原因は異なるが、脊柱の弯曲により痛みや整容上の症状がでる疾患。骨粗鬆症による骨折でも脊柱変形をきたす。

2. 脊椎脊髄腫瘍、後縦靭帯骨化症

症状が出現した場合、手術加療が必要となるが、手術により麻痺をきたす可能性が高く、高度な治療技術を要する。

3.変形性股関節症

痛みや可動域制限を軽減するため人工関節手術が行われる。骨切り術など骨関節温存手術も対象となる。

4. 前十字靭帯損傷

膝関節内の重要な靭帯の損傷で、膝崩れという不安定性を生じ、再建術という手術が必要となる。

5.腕神経叢損傷

外傷や分娩などにより上肢全体を支配する神経を痛める疾患。

6. 反復性肩関節脱臼

肩関節がちょっとした日常の動作で脱臼しそれを繰り返す疾患。

7. 骨肉腫

骨の悪性腫瘍であり、手術療法、化学療法などの全身治療が必要になる。

8. 関節リウマチ

滑膜の増殖により主に四肢の関節が障害され、疼痛や変形をきたす疾患

9. 先天性股関節脱臼

生下時より股関節脱臼がみられる疾患で放置すると後遺障害をきたす。

10. 四肢長不等

先天性の病気や腫瘍、外傷などによる四肢長の不均衡を脚延長術により矯正する。

11. 原発性骨粗鬆症

加齢とともに骨が脆弱化し軽微な外力で脊椎や四肢の骨折をきたす疾患

取り扱っている特定疾患・高度な医療

  特定疾患:後縦靭帯骨化症、特発性大腿骨頭壊死症、悪性関節リウマチ

施設認定

  • 日本整形外科学会研修認定施設
  • 日本リハビリテーション医学会研修認定施設
  • 日本リウマチ学会研修認定施設
  • 日本手外科学会研修認定施設